中種法とは?パン作りの作業中や仕上がりのメリット・デメリットを紹介!
現代で主流なパン製法は「ストレート法」と「中種法」の2つです。 2大製法といってもよいでしょう。
この2つの製法のそれぞれの長所と短所を理解しておけば、
パンの種類を増やそうかな?
パンのしっとり感を増したいんだけどなぁ
などと思ったときに、どちらの製法を採用すべきか判断することができます。
今回は中種法のメリット・デメリットを紹介します。
中種法とは
中種法とは、発酵種法の1種で、材料の一部を先に発酵させてから残りの生地を混ぜ合わせる製法です。
中種のことをスポンジと呼ぶことからスポンジ法とも呼ばれます。
中種とは発酵種のことで、事前に発酵させた生地のことです。
中種は、全使用量の50%〜100%の小麦粉・水・イーストで発酵種を作り、その発酵種を1〜72時間(通常は1〜4時間)発酵させて作製します。
小麦粉・水・イースト、という材料からわかるかと思いますが、中種には塩や副材料を入れません。
塩や副材料を入れない主な理由は以下の2点です。
・イーストに快適な環境となり発酵が進みやすくなる
・小麦粉が長時間水和されて生地の熟成状態が安定する
以上のことから、生地が安定するため管理がしやすく、失敗しにくい製法といわれています。
中種法はストレート法と比べて、機械耐性があり工程の機械化に向いていることと、品質が均一にしやすいため、大手の製パン会社の多くが取り入れています。
中種法のメリット
中種法には以下のメリットがあります。
- ボリュームのあるソフトなパンになる
- パンの老化(硬化)が遅い
- 機械耐性があり、工程の機械化に向いている
ボリュームのあるソフトなパンになる
中種法は発酵時間が長くなるため発酵・熟成・水和が十分に行われます。
生地の水分吸収多くなりパンは柔らかく仕上がります。
また、中種法は2回に分けてミキシングを行います。
中種を作るためのミキシングと、生地を作るためのミキシングの、計2回です。
2回のミキシングにより、グルテン組織がより発達するため、発酵で発生するガスの保持力が強くなります。
生地にガスを多く保持することができるためパンは膨張し、ボリュームのあるパンになります。
パンの老化(硬化)が遅い
パンの老化とは、パンの水分が失われて硬くなることです。
前述したように、中種法は発酵時間を長くとれるため、生地の水分吸収がよくなります。
つまり、水和(グルテンと水の結びつき)が十分になるということですね。
水和が十分になされていると、パンから水分が失われるまでに時間を要するため、パンの老化(硬化)が遅くなり、パンの柔らかさが持続します。
機械耐性があり機械化に向いている
機械耐性とは、機械化された作業によって生地が受けるストレスの耐性のことです。
機械耐性が低いと、分割や成形などを機械化したときに生地が損傷しやすくなります。
生地が損傷すると、弾力を失いうまく膨らまないことがあります。
逆に機械耐性が強い生地であれば、各工程を機械化することが容易になります。
前述したように、中種法は2回に分けてミキシングを行うため、グルテン組織が発達します。
それにより伸展性・伸長性がよくなり生地の柔軟性が増します。
パンの柔軟性が増すほど機械耐性が強くなりますので、中種法は工程の機械化に向いている製法といえます。
また、生地の安定性も増しているため、生地の管理がしやすく、品質を均一にしやすいため、大手の製パン会社のほとんどが中種法を採用しています。
中種法のデメリット
中種法には以下のデメリットがあります。
- 時間がかかる
- 場所を取る
- 小麦の風味が弱まる
時間と場所をとる
中種法は「中種の発酵」と「生地の発酵」のどちらも行うため、ストレート法に比べると発酵の手間が増えます。
中種を作るための発酵時間は通常1〜4時間程度ですが、長いものだと3日かけるものもあります。
また、その間、中種を発酵させる場所を確保しなければならないため、場所もとります。
中種法は中種を発酵するための場所と、生地を発酵するための場所のどちらも確保しなければなりません。
小規模なパン屋では、時間と場所を取るのはバカにならないコストです。
小規模なパン屋はストレート法をよく使い、大手製パン企業は中種法をよく使う、というのはコストの観点でも納得ですね。
小麦の風味が弱まる
中種法は発酵時間が多い分、発酵による風味は強まります。
逆に、小麦自体の風味は発酵によって弱まります。
小麦の風味を楽しむパン(フランスパンなど)は小麦の風味を活かすために、100%中種法を避けて50%中種法にするなど、風味について考慮する必要があるでしょう。
まとめ
中種法は、機械耐性の高さや生地の扱いやすさから、パン工場で広く使われている製法です。
ですが、小規模なベーカリーでもパンの食感などにこだわりを出したいときなどには活用できる製法です。
中種方の長所と短所を理解すれば、発酵種の保存場所やパンの種類(個数)などの制約があるなかで、どこまでをストレート法にしてどこまでを中種法にするか、という判断材料になることでしょう。