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ストレート法を中種法にする計算方法と中種の発酵時間や捏ね方を解説!

基本的な製法であるのがストレート法。パン作りをしたことがある方が、最初におこなう製法ではないでしょうか?

パン作りに慣れてくると、いろいろな製法で試したくなってくるもの。

ストレート法以外の製法として代表的なのが、中種法です。

一般的にはストレート法のレシピが多いなか、ここではストレート法を中種法にする計算方法と、中種の発酵時間や捏ね方について解説していきたいと思います。

目次

中種法とは

中種法とは、粉や水、酵母などの材料の一部を先に混ぜて発酵させ、その後残りの材料を全て加えてミキシングし発酵させる方法のことです。

長時間発酵させるため、水和がしっかりおこなわれ、生地は十分に発酵・熟成するのが特徴です。

ストレート法との比較

水和が十分におこなわれ、しっかり発酵しているため、ストレート法と比べてふわふわとボリュームがあり、老化しにくいパンに仕上がります。

また、長い時間をかけて発酵させることから、生地の修正がしやすく品質を一定に保つことができます。

一方で、中種法は時間と手間がかかるのが難点。

安定した品質を保てることから大手製パン工場などで多くとり入れられている製法ですが、ミキシングの回数が多いぶん、粉の風味が乏しくなります。

中種にはなぜ粉や水、酵母のみを使うの?

中種に使用する材料は、粉や水、酵母のみでほかの材料は使いません。

中種の目的は、粉を十分に水和させしっかりと発酵・熟成させること。

長時間熟成をするには、できるだけシンプルで余計な材料がない方が、酵母が安定して活動しやすいのです。

そのため、ここでは塩や砂糖、油脂などのほかの材料は入れず、粉や水、酵母のみを使います。

中種法の割合とは

中種法では、最初に粉や水、酵母などの材料の一部をミキシングし、発酵させます。

これを中種といい、中種には材料のうちの50%以上の粉を使用するのが特徴です。

粉の量は材料のうちの50~100%の範囲で使用することができ、使う粉の割合によって50%中種法、60%中種法、70%中種法というように、中種法の頭に使用する粉の割合をつけて呼びます。

中種法の割合による特徴

中種に使う粉の割合は、少ないほど粉の風味を感じやすくなります。

一方、粉の割合が多いほどミキシングしにくくなり、小麦の風味は薄れ作業性が悪くなりますが、多くの粉を長時間水和させることから、ふわふわとボリュームのあるパンに仕上がりやすくなります。

一般的に使われるのは70%中種法

中種法では50~70%中種法を使用するのが多く、なかでも70%中種法が一般的です。

中種法では粉の割合が少ない場合と多い場合、それぞれにメリットとデメリットがあるため、通常は一番バランスのとれた70%中種法が使用されています。

ストレート法のレシピを中種法にする計算方法

基本的にストレート法のレシピは、中種法で作ることができます。

粉は強力粉や薄力粉など、その種類に限らず同じように計算することができます。

ストレート法から中種法に置き換えたときのベーカーズパーセント

ストレート法から中種法に置き換えたときに、注意するのは粉と水の量。

粉はストレート法のレシピの分量の70%を中種に使用し、残りの30%を本ごねに使用します。

水の量は中種に使う粉に対して60%使用します。

例えば、次のようなストレート法の配合では、記載した中種法のように置き換えることができます。

ストレート法(ベーカーズ%) 中種法(ベーカーズ%)
中種 本ごね
100 70 30
砂糖 5 5
油脂 5 5
2 2
ドライイースト 1 1
63 42 21

ストレート法のレシピを中種法にする計算方法

ここでは、2種類の粉を使用した全粒粉入りの食パンのレシピで計算してみましょう。

ストレート法の場合のレシピは次のようになっています。

全粒粉食パン 1斤

強力粉 150g 

全粒粉 150g

砂糖 15g

油脂 15g

塩 6g

ドライイースト 3g

水 189g

ここから、中種に使う粉、水、酵母(イースト)の量を計算してみましょう。

中種に使う粉の計算方法

中種に使用する粉の量は70%。次のように計算します。


強力粉150g×70/100 = 105g
※本ごねでは、残りの150g-105g = 45g使用します。


全粒粉150g×70/100 = 105g
※本ごねでは、残りの150g-105g = 45g使用します。

中種に使う水の計算方法

次に計算するのは水の量です。

水の量は中種に使用する粉の量の60%使用します。

計算式は以下の通りです。


(強力粉105g+全粒粉105g)×60/100 = 126g
※本ごねでは残りの189-126g = 63g使用します。


中種に使う酵母(イースト)の計算方法

中種ではイーストを全量使用します。

そのため、計算の必要はなく材料のイーストをすべて使いましょう。

なぜ中種にイーストを全て入れる?

中種には材料のイーストを全量入れます。

発酵や熟成には酵母が非常に重要な役割をしています。

中種の生地を仕上げてひと塊となったものに、後から酵母を追加しても、酵母はきれいに混ざりません。

そのため、最初の中種の段階でイーストは全量使いましょう。

なぜ中種の水は粉に対して60%にする?

中種法では、長時間発酵させるため、生地切れを起こしやすくなります。

そのため、中種はしっかりした生地になるようやや硬めにしておきます。

中種で使う水の量は、ストレート法での割合よりもやや低めの60%にするのが良いでしょう。

中種の捏ね方

ここからは、中種法で最初に仕上げる生地である中種の、捏ね方について紹介します。

STEP1 材料を合わせる

中種の材料を合わせます。中種に使うのは、粉、酵母、水のみです。

STEP2 ミキシング

材料を合わせたら、ミキシングをおこないます。

中種では発酵時間を長くとるため、発酵中にも自然とグルテンが形成されます。

そのため、ミキシングは短め、ここでは水切れが進んだ頃とします。

水切れとは、粉と水が均一に混ざり、水分が粉に吸収されひとつにまとまった状態のことです。

通常のストレート法では低速から中速に切り替えた後、5~6分ミキシングしますが、中種では2~3分ほどでミキシングを終え、完全にはおこないません。

捏ね上げ温度は、ストレート法よりも低めの24~25℃で仕上げます。

中種の発酵時間

中種の発酵時間は、1~4時間ほどとストレート法に比べて長く、通常4時間おこないます。

中種の発酵は長時間であるため、発酵温度は24℃前後と低めに設定しましょう。

中種法のなかでも一晩かけて発酵させるオーバーナイト中種法では、さらに発酵時間が長いため、5~10℃と発酵温度が低く、冷蔵庫で発酵させます。

中種の発酵の見極め方

中種法では、中種を作ったあともう一度ミキシングをおこなうため、生地は再び引き締まります。

そのため、中種の発酵は生地のボリュームが2.5~3倍になり、やや緩んだところを目安にし、終了としましょう。

本ごねの捏ね方

中種法では、ミキシングを2回に分けておこなうのが特徴。

中種のミキシングを終えて発酵させたら、本ごねをおこないます。

STEP1 中種に残りの材料を加える

発酵させた中種に、残りの材料をすべて加えます。

STEP2 ミキシング

本ごねをおこなうことで、グルテンはより強化されてガスの保持力が増します。

中種法では通常柔らかく伸展性のある生地を目指すため、ストレート法よりもやや長めにミキシングし仕上げましょう。

捏ね上げ温度は27℃前後で仕上げます。

本ごねの時に水を増やしたり減らしたりする必要は?

本ごねでは、特に水を増やしたり減らしたりする必要はありません。

中種法では、低温で長時間発酵させることから吸水量が高いのが特徴です。

基本的にもともとのレシピの分量でも十分柔らかく伸びの良い生地に仕上げることができますが、好みによって水を増減しても良いでしょう。

本ごねの後の発酵

本ごねの後の発酵は、ストレート法の一次発酵よりも短くすることができます。

中種法では、中種の段階で十分発酵に時間をとっています。

そのため、本ごねでは30分ほどと短い時間でも十分発酵させることができるのです。

オーバーナイト中種法でも同じように、本ごね後の発酵時間は短くおこないます。

二次発酵は、ストレート法と変わりません。もともとのレシピ通りおこないましょう。

まとめ

手軽に作ることができるストレート法でも、老化しやすいなどのデメリットがあります。

ストレート法と比べ、ふわふわとボリュームのあるパンに仕上がり老化しにくい中種法は、時間がかかるもののパンの幅が広がるので非常におすすめの製法です。

ぜひ取り入れてみてくださいね。

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この記事を書いた人

医療技術系短大卒業後、バイオ系研究室テクニシャンなどを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中です。
製パンスクールのプロコースを卒業した経歴を活かし、実践に役立つ製パン知識を、よりわかりやすく科学的にお伝えします。
食育アドバイザー、幼児食インストラクター資格保持。

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