牛乳・豆乳・スキムミルクは代用可能?置き換えるとパンはどうなる?
牛乳やスキムミルクなどの乳製品は、パン作りにおいて、ミルクの風味や香りをつけたりと、パンの食味向上に一役買っています。
ダイエット目的やアレルギーの問題で、牛乳などの乳製品を豆乳に変えたり、家にある材料で代用したいなど、その時々で材料を置き換えることができればとても便利ですよね。
牛乳や豆乳、スキムミルクに全粉乳など、乳製品は代用することができます。
ここでは、代用するときの注意点やパンにどのような影響があるのかを解説していきたいと思います。
材料の置き換えで作業や仕上がりに影響する成分
材料を置き換えると、パン作りの作業性や仕上がりに影響があります。
材料に含まれるどのような成分が、パンの仕上がりに影響を与えるのでしょうか?
今回置き換える対象となるのは、牛乳、豆乳、スキムミルク、全粉乳です。
牛乳は皆さんご存じの通りですが、まずは豆乳、スキムミルク、全粉乳について少し説明しておきましょう。
豆乳とは
豆乳は大豆を原料とし、水に浸したものを煮詰め、濾した液体の部分のことです。
濾した固形分がおから、液体をにがりで固めたものが豆腐です。
豆乳には濾してそのままの状態である無調整豆乳と、飲用として飲みやすくするために砂糖や塩などを加えた調整豆乳があります。
通常、料理やパン作りに使うのは無調整豆乳の方です。
スキムミルクとは
スキムミルクは、生乳や牛乳または特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去したもので、脱脂粉乳とも言います。
スキムミルクは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で以下のように定義されています。
「脱脂粉乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんど全ての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。
・乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(◆昭和26年12月27日厚生省令第52号) (mhlw.go.jp)
全粉乳とは
一方、全粉乳はスキムミルクと元になる原料は同じですが、生乳や牛乳または特別牛乳の乳脂肪分からほとんど全ての水分を除去したもの。
乳脂肪分を含めたほとんどの成分は残ったままで水分だけを取り除いたものなのです。
全粉乳は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で以下のように定義されています。
「全粉乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳からほとんど全ての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。
・乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(◆昭和26年12月27日厚生省令第52号) (mhlw.go.jp)
パン作りに影響を及ぼす成分
それでは、パン作りに影響を及ぼす成分にはどのようなものがあるのでしょうか?
パン作りにおいて、水分、脂質、たんぱく質、糖質、塩分、ミネラル(マグネシウムやカルシウムなど)、ビタミン、pHなどがパンの作業性や仕上がりなどに影響します。
それぞれの材料のなかで影響を及ぼす成分
牛乳や豆乳、スキムミルク、全粉乳に含まれる成分で、材料を置き換えることで影響を及ぼす成分には、次のようなものがあります。
作業や仕上がりに影響を及ぼす成分 | |
---|---|
牛乳 | 脂質、糖質(乳糖)、たんぱく質(乳たんぱく)、ミネラル、ビタミン |
豆乳 | 脂質、たんぱく質(大豆たんぱく) |
スキムミルク | 糖質(乳糖)、たんぱく質(乳たんぱく)、ミネラル、ビタミン |
全粉乳 | 脂質、糖質(乳糖)、たんぱく質(乳たんぱく)、ミネラル、ビタミン |
材料の置き換えが及ぼす影響
それでは、材料を置き換えたときにおける含まれる成分量の違いで、パンにどのような影響があるのでしょうか?
水分が多い・少ない
使う材料を置き換えることで、材料に含まれる水分量が変わります。
水分が多いと、柔らかくミキシングがしやすくなり、成形もしやすくなります。
ただし、ややべたつきやすい生地になります。
一方、水分が少ないと生地が硬くなり、ミキシングがしにくくなるのです。
成形もしにくく焼成後は目の詰まったクラムに仕上がります。
脂質が多い・少ない
材料に使われている油脂の製パンにおける役割としては、被膜効果と潤滑効果です。
グルテンの間に油が入り込むことによって薄い被膜ができ、グルテン同士の接触を防いで滑らかにしてくれるのです。
そのため、生地の伸展性が良くなり作業性が増します。
生地の伸展性が良いことで発酵時に生地がスムーズに膨張し、焼成時にも窯伸びしやすくなるのです。
牛乳などの乳製品は材料としての油脂ではありませんが、成分に乳脂肪分が含まれています。
油脂などの材料の条件が同じであれば、まったく乳脂肪分の含まれていない材料を使う時に比べると伸展性が増すということになります。
糖質が多い・少ない
糖質は、イーストの餌となって発酵の原料となるものです。
さらに、焼成によってカラメル化やメイラード反応を起こし、焼き色をつけたり、糖質の持つ保湿性によって老化を遅らせることができます。
糖質が多いほど発酵が促進され、焼き色は付きやすくなり老化が遅くなりますが、糖質が使われていないリーンなパンは焼き色がつきにくく、老化が早くなってしまうのです。
牛乳には乳糖という糖質が含まれており、牛乳の固形成分の約1/3を占めています。
乳糖はブドウ糖とガラクトースからなる二糖類ですが、ショ糖である砂糖と比べて甘さは1/3程度しかありません。
そのため、甘さにはほとんど影響しないのです。
さらに、イーストは乳糖を分解する酵素をもたないため、発酵に利用されず、残ってしまいます。
このように乳糖は砂糖と同じような役割ではありませんが、乳たんぱくとの相互作用によって、通常よりも低い温度でカラメル化やメイラード反応を起こします。
そのため、乳糖や乳たんぱくが含まれる材料を使うと、焼き色がつきやすくなるのです。
塩分が多い・少ない
塩はパンの味付け、生地の引き締め効果、発酵の抑制作用があります。
塩分が多いほど生地は引き締まり、弾力が強くなるのです。
発酵を適度に抑制する効果もあるので、過発酵になるのを防いでくれます。
塩はパンの味にも影響するため、多く入れすぎるということはないかもしれませんが、塩分を控えようと少なくしすぎてしまうと、生地がべとつきやすくなります。
弾力性が劣るため、窯伸びしにくくなるのです。
さらに、発酵が進みやすくなるためイーストが糖を分解してしまい、クラストカラーが薄くなる原因にもなります。
ビタミンの有無
ビタミンCは生地の弾性を高め、製パン性や品質を向上することが目的で加えることがありますが、生地の伸展性は低くなります。
適量使用すれば、ガスの保持力が上がり、生地はふわふわと柔らかく口どけの良いものに仕上がりますが、過剰になってしまうと生地は非常に噛み応えのある食感になります。
ミネラルが多い・少ない
ミネラルとはマグネシウムやカルシウムのことで、主成分はマグネシウムです。
水に含まれるマグネシウムの含有量が、水の硬度に関係しています。
ミネラルが多いほど硬水となり、ミネラルが少ないほど軟水となるのです。
パン作りには中程度の硬水が適しており、マグネシウムのグルテンを結合させる性質によって生地が適度に引き締まります。
そのため、硬水になるほど生地が引き締まりすぎて切れやすくなり、発酵にも時間がかかります。
軟水になるほどベタベタし、弾力のない生地になり発酵が早く進むのです。
材料を置き換える時の注意点
材料を置き換える場合は、置き換えたことによって効果がプラスとなる要素とマイナスとなる要素があります。
たとえば、水分量の違いや脂質の有無などが挙げられます。
なぜ材料を置き換えるのか、何を目的として置き換えるのかを明確にし、不足している部分は補う必要があります。
水分量が違う場合
一般的に水分を減らしたくて、わざわざ材料を置き換えるということはしないはずです。
それだけが目的であれば、単に使用量を減らせばいいからです。
水と牛乳の置き換えの場合、牛乳の約10%は固形成分です。
そのため、水と牛乳を同じ量使用すると、水分量が牛乳の方が10%少ないと言うことになります。
この場合、水を10%足して水分量に変化がないようにすると良いでしょう。
乳脂肪の有無
乳製品を使用するパンは、基本的に副材料を多く使ったリッチなパンが多いです。
そのため、材料そのものに油脂を使用していることが多い傾向にあります。
乳製品に含まれる乳脂肪の有無で、わざわざ油脂量を変動させる必要はありません。
焼成温度の変更
乳製品に含まれる乳糖は、イーストが分解することなく生地に残るため、カラメル化やメイラード反応によって褐色反応を起こし、クラストに色がつきやすくなります。
材料を置き換える場合は、乳糖が含まれる材料を使うときには焼成温度を低くし、焦げないように注意しなければいけません。
水を使うレシピ
水を使うレシピを牛乳や豆乳、スキムミルク、全粉乳に置き換えた場合は、成分に大きな違いがあるため、作業性やパンの仕上がりにも大きな違いがあります。
水を牛乳に置き換えるとどうなる?
水は100%水分であるのに対し、牛乳の水分は90%。残りの10%は固形成分です。
水分量を調整しなければ、生地は硬くミキシングがしにくくなり、焼成時にもボリュームがでにくくなってしまいます。
ただし、たとえ水分量を調整したとしても、水だけのときと全く同じというわけではありません。
牛乳に含まれる乳脂肪分がグルテンの形成を阻害し、ミキシングに時間がかかってしまうのです。
さらに、牛乳に含まれるたんぱく質のカゼインには、生地を引き締めたり、発酵を阻害する作用があります。
そのため、発酵に時間がかかり、グルテンの形成が阻害されていることで窯伸びしにくくなるのです。
窯伸びしにくいことでボリュームにかけたパンになりますが、クラムは詰まり、きめは細かくなります。
牛乳に含まれる乳糖やたんぱく質、乳脂肪などが熱で変性することでミルクフレーバーを発生させ、パンにミルクの風味がつきます。
さらに、水だけで作った場合と比べてクラストに色がつきやすくなるのです。
水を豆乳に置き換えるとどうなる?
豆乳も牛乳と同じように水分は90%ほど。残り10%は固形成分です。
水分を調整しなければ、生地は硬くなってしまいます。
さらに豆乳はグルテンの形成を阻害し、ミキシングしにくくなります。
グルテンの繋がりが弱いことで、ガスを保持しにくくなり発酵時に膨らみにくくなるのです。
窯伸びもしにくくなり、きめは細かいもののボリュームに欠けるパンに仕上がります。
牛乳を使うレシピ
次に、牛乳をほかの材料に置き換える場合について見てみましょう。
牛乳を水に置き換えるとどうなる?
材料を水に置き換えた場合、牛乳の乳脂肪の影響を受けることがなくなるため、グルテンが早い段階で形成されます。
さらに、牛乳に含まれるカゼインの影響も受けることないため、発酵が妨げられる心配もありません。
ただし、発酵が促進されるので発酵時間には注意するようにしましょう。
グルテンの形成を阻害されることがないため、牛乳で作る場合と比べて窯伸びしやすくなります。
きめはやや粗くなりますが、ボリュームがあり柔らかいパンに仕上がります。
ミルクの風味はなくなり、クラストカラーは薄くなるのが特徴です。
牛乳を豆乳に置き換えるとどうなる?
牛乳を豆乳に置き換えると、ミキシング時に生地が硬くなり、グルテンができにくくなります。
グルテン膜の繋がりが弱いため、ガスを保持しにくく発酵時に膨らみにくくなるのです。
窯伸びもしにくくなり、きめが細かいもののボリュームに欠けたパンに仕上がります。
さらに、牛乳特有のミルク風味や香りもなくなります。
牛乳をスキムミルクに置き換えるとどうなる?
牛乳とスキムミルクの違いは、乳脂肪分と水分の有無です。
スキムミルクは粉乳で水分が含まれていないため、牛乳から置き換える場合には牛乳の水分を追加する必要があります。
牛乳の固形成分は約10%で、約90%が水分です。
スキムミルクに置き換えるときは牛乳の10%の分量のスキムミルクと、90%の水に置き換えると良いでしょう。
スキムミルクには乳脂肪がないため、グルテンの形成を阻害されることがなくミキシングがスムーズにおこなわれます。
しっかりグルテンが形成されていることで窯伸びもしやすくなり、きめは粗くなりますが柔らかくボリュームのあるパンに仕上がります。
さらに牛乳と比べ、乳脂肪分を取り除いて濃縮したスキムミルクは、ほかの成分の割合が多くなります。
乳糖の割合も多くなるため、クラストに色がつきやすくなるのです。
牛乳を全粉乳に置き換えるとどうなる?
全粉乳は、牛乳から水分だけを取り除いたものなので、成分としてはほとんど変わりません。
そのため、作業性や仕上がりにもほとんど差はありません。
ただし、スキムミルクと同じように、全粉乳に置き換える場合も牛乳の水分を追加する必要があります。
牛乳を100%としたとき、10%の全粉乳と90%の水に置き換えると良いでしょう。
豆乳を使うレシピ
次に、豆乳をほかの材料に置き換える場合について見ていきたいと思います。
豆乳を水に置き換えるとどうなる?
豆乳を水に置き換える場合には、豆乳の固形成分の分、水分調整が必要です。
無調整豆乳の場合は固形成分が8%以上となっていますが、濃厚豆乳は約14%と幅があるため、牛乳と同じく約10%の固形成分量が含まれていると考えると良いでしょう。
同じ量の水に置き換えると水分が多くなってしまうので、豆乳の固形成分の10%分の水を減らして使用します。
豆乳を水に置き換えると、生地を引き締めることがないためミキシングがしやすくなり、グルテンの形成が促進されます。
グルテン膜がしっかり繋がっていることで、ガスを保持し発酵時に膨らみやすくなるのです。
そのため、窯伸びしやすくなりきめが粗くボリュームのあるパンに仕上がります。
豆乳を牛乳に置き換えるとどうなる?
引き締め効果のある豆乳を牛乳に置き換えると、ミキシングしやすくなりグルテンの形成が促進されます。
豆乳と比べてグルテン膜の繋がりが強いため、ガスを保持しやすくなり発酵時に膨らみやすくなります。
さらに、窯伸びしやすくなり、きめが粗くボリュームのあるパンに仕上がります。
豆乳はパンに香りがつきにくいため、牛乳を使うことでミルクの風味や香りをつけることができます。
豆乳をスキムミルクに置き換えるとどうなる?
豆乳を粉乳であるスキムミルクに置き換える場合は、豆乳と同じ量の水分で調整する必要があります。
豆乳の分量の10%のスキムミルクと、90%の水に置き換えると良いでしょう。
スキムミルクに置き換えると、ミキシングしやすくなりグルテンの形成が促進されます。
グルテン膜の繋がりが強くなっていることで、ガスを保持し、発酵時に膨らみやすくなります。
さらに窯伸びがしやすくなり、きめが粗くボリュームのあるパンに仕上がるのです。
また、牛乳ほどではありませんがミルクの風味や香りをつけることができます。
豆乳を全粉乳に置き換えるとどうなる?
豆乳を粉乳である全粉乳に置き換える場合も、スキムミルクと同じように水分を調整する必要があります。
豆乳の分量の10%の全粉乳と、90%の水に置き換えると良いでしょう。
豆乳を全粉乳に置き換えると、牛乳に置き換えたときと同じような効果を得ることができます。
ミキシングはしやすくなり、グルテンの形成が促進され、グルテン膜の繋がりが強くなることでガスを保持し、発酵時に膨らみやすくなります。
窯伸びもしやすくなり、きめが粗くボリュームのあるパンに仕上がるのです。
パンにはミルクの風味と香りをつけることができます。
スキムミルクを使うレシピ
一般的によく使われているのがスキムミルクを使うレシピですが、普段常備していない場合やアレルギーなどの影響で、ほかの材料に変更したいという場合もあるかと思います。
スキムミルクをほかの材料に置き換える場合について見てみましょう。
スキムミルクを牛乳に置き換えるとどうなる?
あまり普段パンを作らない方であれば、スキムミルクを牛乳に置き換えて作りたいということはしばしばあるのではないでしょうか?
スキムミルクと牛乳の違いは乳脂肪分と水分の有無。
牛乳の固形成分は10%であるため、スキムミルクと同じ量の固形成分を得るためにはスキムミルクの10倍の量の牛乳を用意します。
牛乳で増えた水分(牛乳の分量の90%)は、もともとの材料の水の量を減らして調整すると良いでしょう。
スキムミルクを牛乳に置き換えると、牛乳に含まれる乳脂肪によって、グルテンの形成が阻害されてしまします。
そのため、窯伸びしにくくなり、クラムの詰まったきめの細かいパンになるのです。
結果、やや硬くボリュームの欠けるパンに仕上がります。
牛乳を使うとスキムミルクを使う時に比べて、クラストカラーはやや薄くなるのが特徴です。
スキムミルクを豆乳に置き換えるとどうなる?
スキムミルクを豆乳に置き換える場合も、牛乳に置き換えるときと同じようにスキムミルクの10倍の豆乳を用意し、豆乳で増えた水分(豆乳の分量の90%)を、材料の水を減らして調整しましょう。
スキムミルクを豆乳に置き換えると、ミキシングがしにくくなりグルテンが形成されにくくなってしまいます。
グルテン膜の繋がりが弱くなるため、ガスを保持しにくく発酵時に膨らみにくくなります。
窯伸びしにくくなるため、クラムは詰まってきめが細かくなり、ボリュームに欠けるパンに仕上がります。
さらに、ミルクの風味や香りはなくなるのが特徴です。
スキムミルクを全粉乳に置き換えるとどうなる?
スキムミルクを全粉乳に置き換えると、乳脂肪によってグルテンの形成が阻害されミキシングに時間がかかってしまいます。
やや硬い食感に仕上がります。
グルテンの形成が阻害されるため、窯伸びしにくくなりクラムの詰まったボリュームにかけるパンに仕上がります。
さらに、クラストの色は薄くなるのが特徴です。
全粉乳を使うレシピ
全粉乳は牛乳と成分が同じであるものの、水分がないことで保存性が高くなっています。
しかし、全粉乳を使うレシピは一般のレシピではあまり見かけることがないため、常備しているという方は少ないもの。
全粉乳がない場合も、ほかの材料に置き換えることができます。
全粉乳を牛乳に置き換えるとどうなる?
全粉乳は牛乳から水分だけを取り除いたものです。
成分にほとんど差がないため、置き換えても作業性やパンの仕上がりは変わりません。
ただし、全粉乳は粉乳であるため材料には水などの液体が使われています。
牛乳に置き換える場合は、全粉乳の10倍の量の牛乳を用意することで全粉乳と同じ固形成分の量を得ることができます。
牛乳で増えた水分(牛乳の分量の90%)は、材料の水を減らして調整しましょう。
全粉乳を豆乳に置き換えるとどうなる?
全粉乳を豆乳に置き換える場合も、全粉乳と同じ固形成分の量を得るために10倍の量の豆乳を用意します。
豆乳で増えた水分(豆乳の分量の90%)は、材料の水を減らして調整しましょう。
全粉乳を豆乳に置き換えると、グルテンが形成されにくく、ミキシングに時間がかかります。
グルテン膜の繋がりが弱いためガスを十分に保持できず、発酵時に膨らみにくくなるのです。
また、窯伸びしにくくなり、きめが細かくボリュームに欠けるパンに仕上がります。
さらに、ミルクの風味や香りがなくなってしまうのが特徴です。
全粉乳をスキムミルクに置き換えるとどうなる?
乳脂肪によってグルテンの形成が阻害されるため、乳脂肪のないスキムミルクに変えることでグルテンの形成が阻害されることがなく、ミキシングがスムーズに進みます。
グルテンがしっかり形成されていることで、窯伸びもしやすくなるのです。
きめは粗く、ボリュームのある柔らかいパンに仕上がります。
全粉乳と比べて乳糖の割合が多くなるため、クラストには色がつきやすくなります。
まとめ
牛乳や豆乳、スキムミルクに全粉乳と、乳製品は代用することが可能です。
材料を置き換える理由には、アレルギーの有無やダイエット目的、味の違いなどさまざまな目的があるかと思いますが、置き換えることで生地の引き締まり方や膨らみ方、焼成後のボリュームや焼き色には大きな違いがあります。
仕上がりの違いを理解したうえで材料を置き換えると、失敗もしにくくなります。
ぜひお好みの材料でチャレンジしてみて下さいね。