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リッチとリーンの意味とは?素材や作り方の違いは?どんな種類のパンがある?

これからパン作りをはじめる上で抑えておきたいパンの種類がありますので、今回はそれを抑えていきましょう。

パンにはリーンなパン、リッチなパンというものがあります。

これは、それぞれ生地の特徴を表しているのですが、リッチなパンと言われれば、なんとなく言葉から想像できるかもしれません。

では、リーンなパンとはなんでしょう?想像できますか?

これからこの二つについてまとめていきます。

目次

リッチなパン

ではまずリッチなパンとはなんでしょうか?

リッチとはすなわち”rich”と書きます。

豊か・恵まれているといった意味です。

それは生地に砂糖、卵、バター、牛乳などの副材料が豊富に含まれている生地を指します。

これらの材料のおかげでパンにふっくらと柔らかい口当たりを与えることができます。

こちらの系統のパンには、豊富に含まれている副材料のおかげで、甘くて香り豊かなおいしいパンが出来上がります。

お菓子感覚で食べたり、紅茶やコーヒーと一緒に食べたりすることが多いと思います。

砂糖や油脂によって水分の保水が持続しやすく、ある程度日持ちもしてくれます。

リッチなパンに代表されるパン

  • メロンパン
  • カレーパン
  • クロワッサン
  • ドーナツ
  • マフィン
  • スコーン

など、主には菓子パンといわれるものたちをイメージしていただければわかりやすいと思います。

単体で食べても美味しいパンたちですね。

日本ではパンといえばこちら、リッチ系のパンが並ぶことが多いです。

リーンなパン

ではリーンとはなんでしょう?

リーンとは、”lean”、この場合は痩せた・引き締まったといった感じの意味で、パン作りでいうと先の材料が使われていないパンを指します。

リーンなパンは材料が小麦粉、水、塩、イーストのみを使用したパンとなります。

リッチなパンとは反対に副材料がほとんど入っていないためリーンという意味で使われています。

生地は硬さを生かした、味がとてもシンプルな生地に仕上がります。

和食で言えば、お米のような感覚でしょうか。

何かと合わせることで、そのおかずの味を邪魔せずに引き立ててくれるような存在です。

リーンなパンは、焼き上がりが最も美味しいとされています。

副材料を使っていないため、水分が抜けていきやすかったりしますので、時間がたつとパサついてきます。

リーンなパンに代表されるパン

  • バゲット
  • ベーグル
  • ナン
  • イギリスパン(食パン)
  • トルティーヤ

など、ベーグルやイギリスパンなどにも砂糖などの材料は使用されますが、含有量は少ないためリーン系のパンとなっています。

イメージとしては、そのままで食べるよりも、何かと合わせると美味しく感じられるようなパン、といった感覚でいいのではないでしょうか。

酵母の餌となる糖が少ない分、発酵させるのに時間をかけることが多いです。

日本で見かけることが少ないリーンなパン

日本のスーパーなどではほとんど見かけるのはリッチ系のパンだと思いますが、ヨーロッパなどのパンを主食に食べる文化の国々では、リーン系のパンがメインで消費されています。

日本でいうところのお米感覚ということですね。

パン食文化であるヨーロッパ圏などに行くと、リーン系のパンにオリーブをだものや、シード系を練り込んだりしたものもあったりして、栄養や風味を与えているものを多く見かけます。

それらのほとんどは生地に甘味などを添加していないので、健康面から見ても非常にお勧めできると思います。

その代わりに日本では玄米などのお米が充実していますから需要としてそこまで根付いていないのではないでしょうか。

では次の項目からは、それぞれの系統のパンを作る上での作業工程を見て見ましょう。

細かい作り方は様々ありますので、今回の記事では大まかな流れについてご紹介します。

作り方の違い−こね

まずはこね方について解説していきます。

ふっくら柔らかいパンにしたいのか、硬くしっかりとした食感をつけたいのか、目指すゴールによってこね方は変わります。

リッチなパンは綺麗にこねましょう

基本的にはリッチなパンはしっかり均等にグルテンを作ることを目指します。

ミキシングの第4段階を目指すのです。

綺麗な光沢を帯びた弾力のある生地に仕上げます。

副材料のおかげでこねあげやすいですが、酵母の栄養である糖が豊富なので発酵のしすぎに注意する必要があります。

リーンなパンはこねすぎないようにしましょう

リーンなパンは満遍なくこねすぎないように、粗めにこねて行きます。

綺麗に伸びるよりは、やや荒くて切れてしまう部分もあるような具合です。

発酵が進みすぎないように生地の温度は20度前後で調整していきましょう。

作り方の違い−発酵

発酵自体にも手法が様々ありますが、ここではリッチとリーンの生地の違いで発酵の進み方の違いなどを説明していこうと思います。

リッチなパンはどんどん膨らみます

酵母菌の栄養である砂糖が入っているリッチなパンはスムーズにどんどん発酵が進みます。

ただし小麦粉に対して15%を超えると発酵は弱まります。

酵母の量を調整して膨らみすぎないようにしないといけません。

温度を調整することも発酵をコントロールする上で重要になります。

発酵のしすぎ、すなわち過発酵をしてしまうと、膨らみ過ぎの結果、気泡ででこぼこになり、生地に弾力がなくなってしまいます。

膨らむのは、酵母が糖を分解する時に炭酸ガスとアルコールを分泌するからです。

そして、酵母によって生地の糖が分解されていくことによって甘みも減っていきます。

過発酵を防ぐたの対策としては酵母の性質を理解することでしょう。

酵母は25度以上になると働きが活発になるので、季節の気温を考えながら作ること、材料を冷蔵庫で冷やしたりして生地の温度を下げたりすることで調整していきましょう。

リーンなパンは地道に膨らみます

酵母菌の栄養である砂糖が少ないため、できる限り時間をかけて発酵させていく必要があります。

こちらのパンは、余計な副材料が入っていない分、小麦の風味をたたせることで美味しさを出して行くのですが、リッチなパンのように高温で発酵をしてしまうとそれが失われてしまいます。

発酵をゆっくり長時間かける方法として、オーバーナイト法というミキシングの後、生地を一晩寝かせておく製法を用いることが多いです。

冷蔵庫などの5~10度の範囲で12~48時間寝かせます。

それほど、時間をかけた方がいいです。

時間によって味の変化もありますので、詳しくは機会があれば記事にしたいと思っています。

作り方の違い−焼成

いよいよ焼き上げる段階にきました。

この工程では、どのくらいの火力で、どのくらいの時間焼くかを調整します。

イメージとして、リッチなパンはふんわりと、リーンなパンはカリッとさせることを目指していきます。

リッチなパンは作りたいパンによって焼成温度をコントロールします

リッチなパンは副材料が豊富に含まれているため、焼き上げる温度は作りたいパンによって様々に対応ができます。

おおよそ200度前後〜250度あたりで焼き上げます。

白パンなどのもっと低く焼き上げるパンもありますが、おおよそこの辺りです。

砂糖などの副材料が含まれているので、しっかり焼き色が着くのが特徴です。

あまり時間をかけて焼きすぎると、仕上がりが硬くなってしまうので注意しましょう。

リーンなパンは高温で一気に仕上げます

リーンなパンは、基本的には発酵の時のように時間をかけてはいけません。

高温で一気に焼き上げます。

副材料がほとんど含まれていないので、リッチのように膨ら見ません。

クープを入れて膨らみをアシストし、蒸気を加えながら焼いて行きます。

クープとは焼く前に生地に包丁などを使い切れ込みを入れることです。

フランスパンなどのハードなパンの表面が裂けているよう見えるのはクープをしたからです。

リーンなパンはカリッとした焼き上がりにするために、焼成の段階ではリッチなパンよりも高温で素早く焼き上げて行きます必要があります。

低温で焼くと、生地がとても硬くなりすぎてしまいます。

また色を補う副材料がないため、焼き色は薄い色となります。

おわりに

これまでリッチなパン、リーンなパンについてまとめてきました。

それぞれのパンには特徴があり、作るための工程が違うということが大まかにわかっていただけたかと思います。

しかしながら、これらの工程は、酵母の種類やパンの大きさ、オーブンなど調理器具の性能などの様々な要因によっても変化していくものですから一概には言えないところです。

まずはベーシックなレシピを参考にし、作ってみて作業の要領をつかむことです。

そこから何度も作って試行錯誤を繰り返し、自身の思い描いたパンに近づくように作り続けて行きましょう。

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この記事を書いた人

某ライフスタイルを提案する書店にて料理・旅行に関する本を主に担当し、毎月様々な担当ジャンルの特集やイベントなどを企画、開催をしていました。
趣味が高じてアウトドア業界に転職後、現在イギリスに渡英し語学や文化を勉強中です。
ジャンルを越えて横断的に興味のあることを追求してく日々を送っています。

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