強力粉と薄力粉の見分け方!小麦粉のタンパク質含有量の違いで区別できる!

今回は強力粉と薄力粉の見分け方について紹介します。

見た目が似ている両者ですが、目的別に作られているものなので、実はしっかりと特徴を持っていますので見ていきましょう。

併せて小麦粉の種類や用途などについてもまとめていきます。

目次

粉を手で握って見分ける方法

片手で粉をギュッと握ります。

強力粉(左)と薄力粉(右)とを握り締めている写真

握りましたら手を開いて確認してみた時に、粉がほろほろと崩れていくものが強力粉です。(写真:左)

手を開いてもギュッとある程度崩れずに手の跡が残るように維持しているものは薄力粉となります。(写真:右)

強力粉(左)と薄力粉(右)を握り締めた後に手を開いた写真

では、なぜこのような違いが起こるのでしょうか?

まず大きな違いとして、小麦粉にはいくつかの種類が存在します。

主に普段から皆さんも強力粉、中力粉、薄力粉なんかを使ったりすると思います。

これらは全て小麦粉が成分ですが、なぜ分類されているのかというと、グルテン、つまりタンパク質の含有量と質の違いのためにそれぞれの粉毎に異なる特徴を持っているために、料理するものによって使い分けることができるからです。
(グルテンは本来グルテニンとグリアジンという異なるタンパク質を捏ね合わせることで作られる物質ですが、表記しやすくするためにグルテンや、タンパク質含有量としていきます。)

名前の通り粉のグルテンによる力の強さ、タンパク質の含有量から順番に 強力粉 → 準強力粉 → 中力粉 → 薄力粉 と分類されています。

そして小麦粉の粒子が粗く硬いものから強力粉、粒子が細かく柔らかいものを薄力粉、という風に分類されます。

この硬い、柔らかいというのは使われる小麦の粒の硬さに違いがあり、強力粉は硬い粒からなる小麦から作られ、そう言った小麦を「硬質小麦」と言います。

薄力粉のような柔らかい粒からなるものは「軟質小麦」と言います。

これらの小麦を粉砕する際に、その硬さによって粒子の砕け方に違いが出てきます。

強力粉の材料となる硬質小麦は硬く、粒同士が強く密着した状態です。

ですので粉にする際にはその接着する力が強いため粒が完全にきれいにばらけることなくいくつかが固まったままの状態になります。

これが粒が粗い状態です。

対して薄力粉は柔らかい軟質小麦から作られます。

粉にするときにも、お互いの粒の粘着性が弱いためきれいな細かい粒に分解されます。

分解しやすい理由は、軟質小麦にはフライアビリンというくっつくことを妨げるタンパク質が含まれているからと言われています。

この粒は滑らかで一粒が細かい状態となります。

ですから、この粒子の粗さの違いによって手で握った際、形状を維持できるのかどうかの違いが現れ見分けることができるのです。

こういった違いは、調理をする際にもそれぞれの特徴を示してきますので向いている調理法が異なってきます。

・強力粉は粒子が粗く、握った後に崩れやすい
・薄力粉は粒子が細かく、握った後に崩れにくい

粉を少量の水で捏ねて見分ける方法

他の見分け方としては、粉に水を加えてこねてみる方法があります。

例えば粉大さじ3に対して、水大さじ2を加えて混ぜてみてください。粉:水が3:2の量です。

生地が綺麗にまとまるためにはグルテンが必要になります。

グルテンとは、小麦粉に含まれる2種類のタンパク質であるグルテニンとグリアジンが絡み合うことでグルテンとなります。

グルテンには弾力性と粘り気という特徴があるために、グルテンの量が多くなるにつれ、生地をこねた時にしっかりとまとめることが出来るようになります。

以上を踏まえた上で比べてみますと、

グルテンの少ない薄力粉の場合は、生地のまとまりが遅く、ベタベタした腰の弱い状態になります。

対して強力粉はグルテンが多いためによくまとまり、腰のあるしっかりとした状態になります。

実際に生地の状態を作ってみることで粉の判別ができるというわけですね。

なぜタンパク質が多いのかと言いますと、強力粉の原料になる硬質小麦は粉にした際の粒度が荒く、結果的にタンパク質の含有量が多い状態であるからです。

・強力粉は腰があり、まとまりやすい
・薄力粉は腰が弱く、まとまりにくい

間違えて薄力粉でパンを作ってしまったらどうなる?

パンを作ろうとして、間違えて薄力粉を使って作ってしまったらどうなるでしょうか?

通常、パンを作る際にはしっかりと生地をこねていき、それから発酵させて膨らませるという工程を踏んでいきます。

そのこねあげていく過程で薄力粉ではグルテンの量が少なく、ドロドロとした生地になってしまうのです。

グルテンがないとなぜパンはうまく焼けないのか?

グルテンがないとふんわりとしたパンを焼くのは難しくなります。

それは、グルテンによる弾力のある力強い伸びがパンの骨格となるためです。

その作用とはイーストが発酵することで発生する炭酸ガスを生地の中の至る所で小さな気泡として閉じ込めます。

どんどん発酵が進んでガスが増えていくほどに生地全体を押し広げていき、生地はふわふわに膨れ上がっていきます。

グルテンはこのガスを閉じこめながら膨れ上がらせるために必要な成分なのです。

それからこの発酵した生地を焼成することで、グルテンのこの組織は熱による変性で固くなります。

これでパンはしっかりと骨組みが出来上がり、温度が下がってもパンの形を保ってくれるようになります。

試しに米粉で同じようにパンを作ってみてください。うまく膨らまなくて苦戦するでしょう。

米粉などの場合、通常はグルテンの作用を代用できるものを使用して膨らませますが、なかなか通常のパンのようにはうまくいきにくいはずです。

それを踏まえて、同様に薄力粉のようなグルテンを作るためのタンパク質が少ないものを使用すると、弾力のあるふんわりとしたパンを作ることは難しくなるということです。

・グルテンは発酵で生地が膨らむために必要
・グルテンは焼成で生地が形を維持するのに必要

それでは、次にこれらの粉がそれぞれどのような料理に向いているかなどをまとめていきます。

強力粉の特徴

強力粉は硬質小麦を使用したタンパク質の含有量の多い粉で、腰の強い生地を作るのに向いています。

タンパク質の含有量は11.5%〜13.0%程度となります。

しっかりとした弾力やふっくらした生地を作れるため、パンや中華麺などで使われることが多いのがこの粉になります。

打ち粉に使う強力粉

ベタつく生地に打ち粉をしますが、強力粉を使うのが基本です。

それには理由があります。

ベタベタした生地に使う生地に打ち粉をして作業しやすくなる代わりに、新たな粉によって生地の仕上がりが硬くなったり粉っぽくなったりしてしまいます。

このような場合に、粒子が粗い粉である強力粉はベタついた生地に付着しても比較的にさらっと払い落としやすいからなんです。

反対に薄力粉を使うと、粒子が細かく生地に粉が吸着しやすく生地が粉っぽくなりやすくなります。

薄力粉の特徴

タンパク質の含有量は薄力粉の場合ですと、6.5〜9.0%程度となっています。

粒子はしっとりとしており、水を加えるとグルテンが少ないためにまとまりにくくベタベタした生地になります。

粉どうしが塊やすいので、打ち粉には使いづらいです。

弾力性が弱いことを活かして、天ぷらや、お菓子やケーキなどに使われたりします。

また、グルテンの違いを利用して、クリスピーなうすいピザのような膨らまない生地を作るのに向いていたりします。

反対に、ふかふかな生地になるピザは強力粉が使われていたりします。

他の小麦粉の種類

他にもご存知の通り小麦粉には種類がありますのでここで紹介していきます。

準強力粉

強力粉と中力粉の中間に位置する粉です。細かくなってきました。

タンパク質は10%〜11.5%含まれています。

強力粉と比べるとわずかにタンパク質の含有量が少なくなっているため、パンを作ったときのボリュームの違いや食感が変わってきますから、細かく自分の思い描くイメージを表現できます。

中力粉

強力粉と薄力粉の中間に位置します。

タンパク質は7.5〜10.5%ほど含まれています。

うどんなどのコシを作るにはこのくらいのタンパク質が含まれていると作りやすいためによく使われます。

他にもそうめんや、たこ焼きお好み焼きなどの粉物などに使われています。

全粒粉

小麦粉は、玄米から白米を精製するのと同じように余計な物を取り除いています。

全粒粉はそれらの普通は取り除く部分を丸ごと粉にした物です。

そのために、表皮や胚芽などが含まれているため少しざらざらとしていて茶色っぽい色をしていて栄養価が高いです。

ある意味で不純物が混じっている状態なので、粉にするとグルテンの含有量も少なくなります。

そのため、生地はまとまりづらくふんわりとした感じが特徴のケーキやパンなどを作ることには向いていません。

全粒粉で作られたパンやお菓子は、独特の風味や食感があります。

小麦の種類

小麦にはいくつかの種類が存在しており、それらは小麦の品種によって決められています。

ここからは細かく分類されている小麦の種類についてまとめて行きますので興味のある方は参考になさってください。

栽培する季節による違い

栽培の季節によっては春に種を撒いて秋に収穫する春小麦と、秋に種を撒いて夏に収穫する冬小麦と分けられています。

地域によって使用される小麦が異なりますが、春小麦の方が一般的には製パンに対しては優れているために多く使用されます。

粒の色は外皮に赤褐色を持つ赤小麦と、色素がなくて白っぽくなる白小麦となります。

同じ赤小麦でも色素の濃さが異なり、色の濃いものほどタンパク質の含有量が多くなっていきます。

粒の硬さによって硬質小麦、中間質小麦、軟質小麦といった具合に分けられます。

それでは、次はそれらの違いについてみていきましょう。

硬質小麦

強力粉の原料となります。

粒が硬いために粉にすると、でんぷんの粒が完全に分離することなくいくつかの固まった状態の粗い粉となります。

そのために、硬質小麦は粒の粒度が大きいです。

この粒度の大きさは、同時にタンパク質の量も多いということになります。

そして、比較的に水分を多く吸水しやすい特徴があります。

主な小麦の産地はアメリカ・カナダなどです。

軟質小麦

薄力粉、もしくは中力粉の原料となります。

粒子は細かく柔らかいためふわっとした感じが出ます。

お菓子の材料としてや天ぷらの衣として使われることが多いです。

軟質小麦の粒の表面にはくっつくにくい性質の物質があるようで、粉にした際にきれいに粒が一つ一つ分離されます。

そのために、軟質小麦の粒の粒度は低いことから、タンパク質は少なく、水分を吸う力は弱いのが特徴です。

主な生産地はアメリカです。

中間質小麦

中力粉の原料となります。硬質小麦と軟質小麦のちょうど中間にある性質を有しています。

主な生産地はオーストラリアや日本などです。

日本の小麦のほとんどは軟質小麦なのですが、その割りにタンパク質の含有量が多いものが多く、それらを中間質小麦と分類することもあります。

デュラム小麦

硬質小麦の一種で多くのタンパク質を有している小麦です。

この小麦は黄色味を帯びており、主にはマカロニやスパゲッティなどのパスタ専用に使われるためにそれらのほとんどは黄色みがかっています。

主には、地中海沿岸部や中近東、アメリカ、カナダで生産されています。

今日では各社より様々な小麦粉が販売されていますが、それらは商品によって様々な種類の小麦をブレンドしたり、例えばビタミンCのようなグルテンの作用を強くしたりするといった作用をもたらすものを添加したりしているものもあります。

ですから商品によって、パン作り全般で使いやすいオールラウンドなものや、例えば麺が美味しくできるものに特化したものやなどなど、各社とも粉を細分化して特徴を持たせて販売しています。

それらについても、どの粉に分類されているのかというのはタンパク質の含有量と質で決められているのです。

古くなった小麦粉の見分け方

時間の経った古い小麦を見分ける方法です。

少量の小麦粉をぬるま湯にとき、酸味などの違和感のある匂いを感じたら古くなって変質している可能性があります。

古くなってしまうと、味に影響してしまいますので使用を控えてください。

おわりに

今回は強力粉と薄力粉の見分け方と、小麦粉の種類などについて見てきました。

粉にはこのように多くの種類があり、特徴がそれぞれ違います。

体験的に学ぶためにおすすめなのは、同じパンを粉を変えてそれぞれ作ってみることです。

できあがったパンは、タンパク質が多い粉を使用したほどもっちりとした生地になり、タンパク質が少ないほどさっくりとした食感に仕上がります。

実際に作ってみて理解しておくことで思い通りの食感を作れるようになると思いますので、ぜひトライしてみてください。

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