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パンが一番おいしいのは焼き立て?冷ました後?パンの食べ頃を紹介!

パン屋さんでタイミングよく焼き立てのパンが出てくると、とても嬉しく得した気分になったことはありませんか?

パンは焼き立てが一番おいしいと思っている人も多いでしょう。

でも、パンは焼き立てが一番おいしいとは限らないのです。

せっかくなら一番おいしい状態で食べたいもの。

ここではさまざまなパンの食べ頃について紹介していきたいと思います。

目次

パンによって食べ頃のタイミングは違う

総菜パンや揚げパンなどは、焼き立ての方がおいしいパンもあれば、食パンのように冷ました方がおいしくなるパンもあります。

それぞれ見ていきましょう。

なぜ総菜パンや揚げパンは焼き立てがおいしいのか

総菜パンはベーコンやウインナー、コロッケなど油分の多いお惣菜を使うことが多いパンです。

焼き立ては食材のジューシーさやホクホクした食感など、出来立てにしかない食感や味を楽しむことができます。

油分の多い食材は、時間が経って冷めると油分が表面に浮き、べとつきやすく食味が悪くなります。

そのため、カレーパンや揚げパンなど、油で揚げるパンも時間が経つとおいしさが半減してしまうのです。

なぜ食パンは冷ました方がおいしいのか

実は、ほとんどのパンが焼き立てよりも少し冷ましてからの方がおいしくなるのですが、なかでも違いが顕著に表れるのが食パンです。

焼き立ての食パンは、水蒸気を多く含んでいます。

クラムの中心に溜まった水蒸気は、時間を置くことでクラストまでしっかり行きわたり、しっとり柔らかくなります。

粗熱がとれ余分な水分が抜けた食パンは、軽い食感に仕上がるのです。

焼き立てはたくさんの水蒸気が含まれているため、粘りがありネチャネチャした食感になります。

さらに、発酵のさいに生成されるアルコールが水蒸気のなかに含まれているため、焼き立てはアルコール臭を感じやすくなるのです。

時間を置き、蒸発させることでアルコール臭を飛ばすことができます。

食パンの食べ頃は6時間後

冷ました方がおいしくなる食パン。

食べ頃やおいしく食べられる期間について見ていきましょう。

食パンの食べ頃

食パンの食べ頃は6時間後からです。

食パンを購入時にスライスしてくれるお店もありますが、焼き立てだと上手く切れないため断られてしまうことも。

焼き立ての食パンはクラムに水分がたくさんある状態で、クラストには水分が少ないです。

焼き立てをすぐに切ると、切り口からどんどん水分が抜けていってしまいます。

食パンをおいしく食べられる期間

食パンは2~3日はおいしく食べられます。

ただし、カットしたところから水分が抜け始め、しだいに老化が進みます。

カットしたらできるだけ早く食べるのがおすすめです。

食パンの食べ方

次の日以降はトーストをして食べるとおいしく食べられます。

食べる分だけをカットするようにし、水分の蒸発を防ぎましょう。

フランスパンの食べ頃は30分後

フランスパンのようなリーンなパンは、焼き上がり後の変化が大きいパンです。

フランスパンの食べ頃

フランスパンの食べ頃は30分後。

つまり冷めたてが一番おいしく食べられます。焼き立てすぐのフランスパンは、食パンと同様、水分を多く含んでいます。

そのため、フランスパンの醍醐味でもあるクラストのパリッとした食感は、十分に感じられません。

水分が飛んですぐの30分後が、クラストのパリッとした食感とクラムのふわふわした食感を楽しむことができます。

しかし、フランスパンのなかでも小型のパンではさらに早くクラストの水分が飛びます。

粗熱がとれたらすぐに食べると良いでしょう。

フランスパンをおいしく食べられる期間

フランスパンは、焼成から30分後の冷めたてでは、クラストの水分が飛んでパリッとした食感になるものの、2~3時間も経つと今度はクラストが大気中の水分を吸収し、クラムの水分がクラストまで行きわたります。

すると、クラストはしなしなに、クラムはパサパサになってしまうのです。

そのため、おいしく食べられるのは2時間後まで。

その後、しなしなになったクラストはふたたび乾燥し、固くなっていきます。

フランスパンの食べ方

副材料の入らないフランスパンは、材料がとてもシンプルで老化が早いパンです。

フランスパンは冷めたらあとはできる限り早く食べるのがおすすめ。

最低でもその日のうちに食べてしまいたいですね。

霧吹きをして焼きなおすと、クラストがパリッとよみがえります。

ライ麦パンの食べ頃は翌日

ライ麦パンはサワー種を使った大型のパンで、日持ちのするパンとして古くから食べられています。

ライ麦パンの食べ頃

ライ麦パンの食べ頃は焼いた日の翌日以降です。

サワー種を使用した酸味の強いライ麦パンは、次の日になると酸味が落ち着いて食べ頃になります。

ライ麦パンをおいしく食べられる期間

ライ麦パンはグルテンを形成しないため膨らまず、すだちの詰んだ状態、つまり気泡がない詰まった状態になっています。

そのため、水分が蒸発しにくく、しっとりしたクラムになるのです。

日本で販売されているライ麦パンは、ライ麦の含有量が少ないものも多いのですが、ライ麦を多く配合されていればいるほどサワー種の使用量が増え、すだちの詰んだ日持ちのするパンになります。

一週間ほど日持ちしますが、焼き立てから2~3日後までがしっとりとした食感を保ち、おいしく食べることができるでしょう。

ライ麦パンの食べ方

すだちが詰まった酸味のあるパンなので、薄くスライスして少しずつ食べます。

バターやチーズを塗ると酸味が和らぎ、おいしく食べられますよ。

ベーグルの食べ頃は30分後

ベーグルはほかのパンとは違い、ケトリングと呼ばれる茹でる作業をおこなってから焼くパンです。

もちもちとした弾力のある食感が特徴です。

ベーグルの食べ頃

ベーグルの食べ頃は、冷めてすぐの30分後。

水分がパン全体に落ち着き、もちもちとした食感と適度な弾力が一番感じられます。

ベーグルをおいしく食べられる期間

ベーグルは油脂が入っていないため、老化が早いパンです。

そのため、おいしく食べられるのは2日ほどです。

ベーグルの食べ方

当日はそのまま野菜やクリームチーズなどを挟み、サンドイッチにして食べるのがおすすめ。

もちもちとした弾力のある食感が楽しめます。

時間が経つと硬くなるため、次の日は温めなおして食べると良いでしょう。

温めるときは水平にスライスし、断面をトースターで焼いて食べます。

蒸しパンの食べ頃は蒸し立てすぐ

蒸しパンは薄力粉を材料に使い、ベーキングパウダーで膨らませて蒸して作るパンです。

強力粉やイーストを使って作るパンとは、作り方や仕上がりが全く異なるのが特徴です。

蒸しパンの食べ頃

蒸しパンは、蒸気をふんだんに取り込んでいる蒸し立てが一番おいしい食べ頃です。

ふわふわした食感を楽しむことができます。

蒸しパンをおいしく食べられる期間

蒸しパンは冷めると硬くなってしまうため、30分以内であればふわふわした食感のままおいしく食べることができます。

蒸しパンの食べ方

蒸し立てが一番おいしい蒸しパンは、出来立てをそのまま食べるのがおすすめ。

時間が経って冷めてしまったら、ふたたび蒸し直すとおいしく食べることができますよ。

総菜パンの食べ頃は焼き立てすぐ

総菜パンは普段あまりパンを食べない人や、男性からの人気も高いパンです。

さまざまなバリエーションで作ることができ、おかずとなるお惣菜を挟んだり、チーズなどをトッピングして焼き上げて作ります。

総菜パンの食べ頃

総菜パンは焼き立てが食べ頃です。

チーズやベーコン、コロッケやウインナーなどのお惣菜を使ったパンは、具材が熱々のうちに食べるのがおいしいです。

特に加熱してすぐのチーズは、溶けた状態を楽しむことができます。

総菜パンをおいしく食べられる期間

チーズは時間が経つと固まり、ベーコンや揚げ物などの総菜の油分もどんどん冷えて固まってしまいます。

30分以内であれば出来立てのおいしさと変わらずに食べることができるでしょう。

総菜パンの食べ方

冷えてしまった場合は、温めなおして食べると油分が溶けてパンに馴染み、ふわふわした食感になります。

総菜パンは基本的に日持ちが当日中のため、その日のうちに食べましょう。

カレーパンの食べ頃は揚げ立てすぐ

なかにカレーフィリングを詰めてパン粉をつけて揚げたカレーパンは、他のパンとは一線を画す存在です。

カレーパンの食べ頃

カレーパンのように、なかに具材を入れて揚げたパンの食べ頃は揚げ立てです。

カレーのフィリングは油分を含むため、時間が経つと油分が冷えて固まり食味に影響します。

さらに油で揚げているため、時間が経つとどんどん油分が染み出しベトベトしたパンになってしまいます。

カレーパンをおいしく食べられる期間

時間が経つとどんどんベトベトしてくるため、そのまま食べるには30分以内には食べた方が良いのですが、当日中であれば温めなおしでおいしく食べることができます。

カレーパンの食べ方

揚げ立てをそのまますぐ食べるのがベスト。

時間が経つと表面に油が滲んでベトベトします。

温めなおしをする場合は、電子レンジで温めて、さらにトースターで加熱すると衣がサクサクに仕上がります。

揚げパンの食べ頃は揚げ立てすぐ

揚げパンは、コッペパンを油で揚げてきな粉や砂糖をまぶして味付けしたものです。

揚げパンの食べ頃

揚げパンの食べ頃は、やはり揚げて立てすぐです。

油で揚げているパンは、時間が経つと油分が生地の表面に染み出てべとつくため、サクサクした食感がなくなります。

そのため、揚げ立てにきな粉や砂糖をまぶし、すぐに食べるのがおすすめです。

揚げパンをおいしく食べられる期間

揚げパンがおいしく食べられるのは、揚げてから30分以内です。

冷めると徐々に油がにじみでて、表面はベトベトになってしまいます。

揚げパンの食べ方

揚げパンは、砂糖やきな粉がまぶしてあると温めなおしをしたときに砂糖が溶けてしまいます。

揚げたてのような状態に温めなおすのは難しいので、おいしく食べられる30分以内に食べてしまうのが良いでしょう。

クロワッサンの食べ頃は30分後

サクサクとした食感と、バターの香りが魅力のクロワッサン。

食感が感じられる頃がおいしいタイミングです。

クロワッサンの食べ頃

クロワッサンは冷めたての30分後が食べ頃です。

焼いてすぐは溶けたバターの油分でしっとりした状態ですが、30分ほど待つと表面の油分が馴染んで固まり、パリパリの食感になります。

クロワッサンをおいしく食べられる期間

完全に冷めたあとは、大気中の水分を吸い徐々にサクサクした食感が失われてくるので、できるだけ早めに食べるのがおすすめです。

1~2時間はそのままでもおいしく食べることができます。

クロワッサンの食べ方

2時間以内であればそのまま食べてもおいしいのですが、時間が経ってしなしなになった場合は、トースターで焼くと表面がサクサクとした食感になります。

ラウゲン系の食べ頃は焼き立てすぐ

ラウゲンとはドイツ語でアルカリ溶液のことを表します。

そのなかで、製パンで用いられるのは水酸化ナトリウム溶液です。

ラウゲン液を使用したパンにはブレッツェルなどがあり、成形した生地をラウゲン液に浸して焼くことで、赤褐色の焼き色と塩気がつき、表面がカリッとした独特の食感に仕上がります。

ラウゲン系のパンの食べ頃

ブレッツェルなどラウゲン系のパンは、表面がカリッと香ばしくなっている焼き立てが食べ頃です。

ラウゲン系のパンをおいしく食べられる期間

ラウゲン系のパンは時間が経つと硬くなり、パサパサになってしまいます。

おいしく食べるには、2時間以内に食べるようにしましょう。

ラウゲン系のパンの食べ方

そのままでもおいしく食べられますが、切れ目を入れて具をはさみ、サンドイッチにしてもおいしいです。

デニッシュの食べ頃は30分後

デニッシュもクロワッサンと同じくバターをたっぷり使ったサクサクの食感がおいしいパンです。

食感を楽しめるうちに食べると良いでしょう。

デニッシュの食べ頃

デニッシュ30分後の粗熱がとれたころが食べ頃です。

焼き立てはバターの油分でしっとりしていますが、30分ほど経ったパンはバターが冷えてサクサクとした食感になります。

デニッシュをおいしく食べられる期間

デニッシュをおいしく食べるには、1~2時間以内に食べるのがおすすめ。

それ以降は徐々にサクサクとした食感が失われていきます。

デニッシュの食べ方

フルーツなどあとでトッピングしているような場合は、リベイクという焼き直しをすることが難しいため、できるだけ早めに食べるのが良いでしょう。

ラスクの食べ頃は翌日

ラスクはビスケットの一種です。

ビスケットは「二度焼き」の意味を持ち、ラスクも一度焼いたパンをスライスし、乾燥させてふたたび焼いています。

そのため、水分がほとんど含まれず日持ちするのが特徴です。

ラスクの食べ頃

ラスクは焼いて完全に水分を飛ばし乾燥させるため、焼いた翌日が食べ頃です。

ラスクをおいしく食べられる期間

ラスクは日持ちしますが、風味がなくなってくるのでできるだけ早めに食べる方が良いでしょう。

一週間はおいしく食べることができますよ。

ラスクの食べ方

しっかり乾燥させていれば一週間ほどそのままでも食べられます。

より長くサクサクした食感を楽しむなら、乾燥材を入れた容器で保存しておくと良いでしょう。

クリーム入り菓子パンの食べ頃は30分後

カスタードクリームや生クリームを入れたパンは、クリームの挟み方で食べ方も変わります。

クリーム入り菓子パンの食べ頃

クリーム入りの菓子パンは、カスタードが冷める30分後が食べ頃。

カスタードを使っているのでできるだけ早く食べます。

生クリームを挟む場合も、パンが完全に冷めてから挟むため、30分後が食べ頃です。

クリーム入り菓子パンをおいしく食べられる期間

カスタードクリームや生クリームは鮮度が命。

日持ちしないのでその日のうちに食べるのが鉄則です。

当日であればおいしく食べることができますよ。

クリーム入り菓子パンの食べ方

パン生地のなかにカスタードクリームを包んで成形して焼いているパンは、常温のまま食べます。

シュークリームのように、焼いたパンに後から生クリームなどを詰めたパンは、詰めてすぐに食べられない場合は冷蔵庫に入れておきます。

食べるときも常温に置かずにすぐに食べるようにしましょう。

餡子入り菓子パンの食べ頃は30分後

餡子入りの菓子パンは、日本ならではのパンです。

餡子入り菓子パンの食べ頃

餡子入り菓子パンは、餡子が冷める30分後が食べ頃です。

餡子の入ったパンは、焼成時に生地が膨らみ、餡子と生地の間に空洞ができます。

時間が経つと生地がしんなりし、空洞がつぶれてふわふわした食感が失われてしまうため、冷めたらすぐに食べるのがおすすめです。

餡子入り菓子パンをおいしく食べられる期間

餡子入りのパンは、その日のうちであればおいしく食べることができます。

餡子入り菓子パンの食べ方

当日はそのままでもおいしいのですが、時間が経つとパンは餡子の水分を吸いしんなりします。

電子レンジで中心を温めたあと、さらにトースターで焼いて食べるとふわふわした食感がよみがえります。

まとめ

パンは種類によって食べ頃が違うということがわかりました。

それでも、なかにはどうしても食パンを焼き立てで食べたいという人もいるでしょう。

それぞれの一番良い状態を知ったうえで、自分の好きな食べ頃を見つけていくのも良いかもしれませんね。

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この記事を書いた人

医療技術系短大卒業後、バイオ系研究室テクニシャンなどを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中です。
製パンスクールのプロコースを卒業した経歴を活かし、実践に役立つ製パン知識を、よりわかりやすく科学的にお伝えします。
食育アドバイザー、幼児食インストラクター資格保持。

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