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へんきょう‐はく【辺境伯】 の解説
本来の意味
- 中世ヨーロッパにおいて、国境付近の地域を治め、防衛を担う高位貴族を指す称号。
例: 「辺境伯は国境警備の要職を担っていた」 - 単なる地方領主ではなく、軍事や政治の面で特に重要な役割を果たした貴族階級の一つ。
例: 「辺境伯の存在が国の安定に寄与していた」
異世界用語としての意味
- 国境近くの辺境地帯を治める貴族であり、多くの場合、その領土は広大でありながらも危険地帯とされる。魔物や他国との戦争の最前線で防衛を担う存在として描かれる。
例: 「辺境伯の軍隊が、国を救うために魔物の群れに立ち向かう」 - 主人公や主要キャラクターの出身地として設定されることが多く、「辺境の地で育ったが、実は超有能」などの展開が定番。
例: 「彼は辺境伯家の三男ながら、剣術と魔法において天才的な才能を持つ」 - 物語の舞台として登場する場合、都市部とは異なり自然豊かで未開の地として描かれ、冒険や戦争、陰謀の舞台として利用される。
例: 「辺境伯領での紛争が物語の発端となった」
語源
「辺境」は国境付近の未開地域を、「伯」は高位貴族の称号を意味し、「辺境伯」はこれらを統治する地位を指す語。
用例
異世界: 「辺境伯の屋敷に仕えることになった主人公」
現実: 「歴史書には辺境伯の功績が数多く記されている」
類義語
異世界: 国境伯、領主、大公
現実: 守護大名、地方貴族、藩主
反義語
異世界: 宮廷貴族、中央領主、文官
現実: 都市貴族、内陸領主、平和主義者
派生語
辺境伯領(辺境伯が治める領土)、辺境伯家(辺境伯の一族)、辺境伯軍(辺境伯が指揮する軍隊)
補足
異世界における辺境伯は、物語の設定に幅を持たせるための非常に便利なポジションである。
国境の防衛という役割から、戦争や政治的駆け引きに深く関わるキャラクターとして描かれることが多い。
さらに、辺境という地理的要素が、隣国との緊張関係、新たなモンスターや未知の文明、ダンジョンなどの冒険要素を生み出すための舞台として機能する。
しかし、「辺境」という言葉の響きから重要度の低い土地として扱っている異世界系作品も少なくない。
そのため、そういった異世界系作品では辺境伯を見下した表現として使われることがあるが、本来の意味からすると誤った使い方である。