目次
き‐ぞく【貴族】 の解説
本来の意味
- 身分制度が存在する社会において、王侯や皇族に次ぐ高い地位を有する人々を指す。主に封建制の時代において、土地や特権を持つ支配層を指す呼称。
例: 「貴族は領地からの収益で生活していた」 - ヨーロッパやアジアをはじめ、歴史的に多くの地域で制度化されており、社会的特権や義務を伴う存在として存在していた。
異世界用語としての意味
- 異世界作品における上流階級の象徴。王国や帝国などの封建社会で、領地や権力を持ち、物語の中で主人公の敵役または協力者として登場することが多い。
例: 「冷酷な貴族に立ち向かう平民出身の主人公」 - 一般的には高慢で偏見に満ちた性格として描かれるが、稀に民を想う善良な貴族も登場し、ストーリーのアクセントとなる。
例: 「主人公を助けた貴族が、実は隠された秘密を抱えていた」 - 貴族特有の儀礼や階級社会の厳しさが、異世界の世界観を際立たせる要素として用いられる。
語源
「貴」(価値が高い、尊い)と「族」(血縁、家系)を組み合わせた言葉で、家系や地位が尊ばれる階層を表す語として古代から使用されてきた
用例
異世界: 「貴族の圧政に耐えかねた主人公が革命を起こす」
現実: 「貴族の館が観光地として保存されている」
類義語
異世界: 貴顕、領主、伯爵、公爵
現実: 上流階級、支配層、封建貴族
反義語
異世界: 平民、奴隷、庶民
現実: 労働者、農民、市民
派生語
貴族社会(貴族を中心に成り立つ社会構造)、貴族文化(貴族階級特有の文化や習慣)、貴族主義(貴族の利益や価値観を優先する思想)
補足
異世界作品での貴族は、物語のスパイスとして頻繁に登場する存在である。
彼らは豪華な服装、広大な領地、そして圧倒的な権力を持ち、しばしば「悪役」や「物語の壁」として描かれる。
一方で、主人公が貴族に生まれ変わる、または貴族の一員として活躍する物語も多い。
また、平民出身の主人公が偉業を成して叙爵されるという展開も頻繁に登場する。
例えば、冒険譚である場合は、討伐不可能と思われたモンスターを討伐した比類なき力を持つ主人公に首輪をつける意味合いで、貴族や王族と婚姻させるために、主人公を叙爵させ、ことあるごとに陞爵させて婚姻相手との身分差を釣り合わせる展開などがよくある。
主人公が物理的な強さではなく商売や経営の才能で財力がある場合は、貴族からの圧力や横暴に対抗する力が必要となるため、身分を得るためにお金のない没落貴族と婚姻することもある。