異世界創作諺「炉の玉を森の玉と謳う(ろのたまをもりのたまとうたう)」

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炉(ろ)の玉(たま)を森(もり)の玉(たま)と謳(うた)うの解説

意味

「炉の玉を森の玉と謳う」とは、本来は別物であることを承知しながらあえて正反対のものだと偽って押し通す様子を指す諺。

権力者が誤ったことを力づくで押し通すことを揶揄する諺として使われる。

権力者からの圧力などで誤りを認められない場合に、周囲が揃って意図的に嘘をつく状況を暗に批判する意味合いも含んでいる。

用例

  • 「王子の近衛兵は小物ばかりでいかん。王子が炉の玉を森の玉と謳っても諫言一つせぬ。暗愚の王にするつもりか」
  • 「将軍が失態を森の恵みだなどと言い張るとは、炉の玉を森の玉と謳うも甚だしい」
  • 「謀臣どもが炉の玉を森の玉と謳ってまで権力を得ようとしているらしい」

語源

かつて、ヒト族の外交使節がエルフの国を訪れた際、炉の玉(ガラス玉)を贈り物として献上した故事に由来する。

エルフの文化では森の玉(水晶玉)が高価値とされている一方、森の資源を消費して作られる炉の玉(ガラス玉)は忌避の対象であったが、ヒト族の外交使節は炉の玉を献上した。

その場で高位エルフのルー=リュリュオンが「これは見事な森の玉である」と声を上げた。

エルフの女王と側近は不快感を隠さず「それは炉の玉であろう」と尋ねたが、ルー=リュリュオンとその臣下は「森の玉である」と言い張り、ヒト族の外交使節も「いえ、これは森の玉です」と言葉を重ねた。

エルフの女王はルー=リュリュオンの影響力を目の当たりにし、自身の王権の弱まりに危機感を覚えたという。

この故事から「炉の玉を森の玉と謳う」は、権力者が誤ったことを力づくで押し通すことを指す諺として使われるようになった。

類語

  • 「鹿を指して馬と為す」

注意

この諺・慣用句は創作であり、実際には存在しません。

人名や地名、物の名称なども架空のものを作っています。(もし、命名が既存の作品と被っていたら申し訳ありません)

異世界系のWEB小説を執筆されている方が、架空の諺や慣用句を作る際の参考にしていただければ幸いです。

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