日本国召喚
2013年から掲載が始まったので、WEB小説としては古めの作品。
書籍化とコミカライズがされており、書籍は六巻まで、コミカライズは九巻まで刊行されている。
作品概要
日本列島全体が異世界に転移する異世界転移物。
チート能力はないが、異世界の文明度合いが木製の帆船なので、現代日本の自衛隊の艦隊だと戦力差が圧倒的であるため結果として無双状態となっている。
日本はある日、異世界へと転移してしまった。
小説家になろう – 日本国召喚
食料自給率が低く、諸外国からの輸入に頼っていた日本は、食糧難の危機に直面する。国民を飢えさせないために、日本政府はただちに非常事態宣言を発令。航空自衛隊は付近を探索し、南西約1,000km先に『ロデニウス大陸』を発見する。
大陸に存在する『クワ・トイネ公国』『クイラ王国』との国交締結により、日本は窮地を脱した。
それも束の間、大陸にもう一つ存在する覇権国家『ロウリア王国』が、『クワ・トイネ公国』『クイラ王国』に対し宣戦布告。再び訪れる危機に対し、日本はどう動くのか?
生き残りをかけた、国家サバイバルの行方は――
感想
異世界に自衛隊が転移したり、戦国時代にタイプスリップしたり、自衛隊を題材にした作品で毎回ネックとなるのが補給の問題だ。
いくら装備のアドバンテージがあっても、弾切れ、燃料切れになっては無力。
その創作におけるボトルネックを、本作は国自体を異世界に転移させることで解消している。
国自体が転移すれば、輸入はできなくなるが、当面の作戦行動は行える程度に備蓄がある。
また、自衛隊だけでは大々的な輸入・輸出の締結は難しいが、国自体が転移していれば日本が異世界の外国に対して正式な貿易を行える。
本作は物語を戦記物に振り切っており、特定のキャラクタが長く登場することはあまり無く、あくまで国と国の戦争を扱っている。
本作の異世界は、侵略戦争をしかけまくるような覇権主義の国ばかりなので、日本の弱腰外交は異世界の国から軽んじられて舐められまくるので、日本は異世界の国との争いが絶えない。
でも、現代日本の自衛隊と、木製の帆船が主流の異世界の軍では、戦争になっても勝負にならない。
日本の圧勝である。それが爽快でもある。
また、一般市民の混乱なども端折りがちで、異世界に日本が転移した時なんかは相当な混乱があるはずなのだが、そこは細かく描写されることはない。
そういった具合で、国と国の戦争・紛争を主眼とした戦記物に終始しているのが、実によい。
WEB小説掲載サイト
小説家になろう

作者のブログ
『小説家になろう』には掲載していない物語の続きは作者のブログにて掲載されている。
しかし、なかなか更新されないので気長に待つとよい。

書籍化
小説
WEB小説版と比べて、大幅な加筆があるので、初めからこちらを読むのもあり。
コミカライズ
WEB掲載漫画 – カドコミ
