金(かね)があればゾンビも畑(はたけ)を耕(たがや)す
『転生ゴブリンだけど質問ある?』の第127話にて登場した諺。
「『キグナスの変』以降、ゴブリン王の前にあなたは現れなくなったと聞いています」
「そうです…。しかし誰からそれを? ゴブリンの街に入ることが出来て…彼の情報を売るような者なんて……」
ゴブリン達は当然アキラ君を売らないが、そもそも今の彼らは僕を知らないはずだ。
他にはエルフ三姉妹、クロエ、竜族のふたり…。彼女たちもアキラ君を売るとは考えにくい。
人間で最もゴブリンの森に立ち入っているのはカイナスだが、一徹な武人であり娘を助けてもらった恩義がある…。何があっても裏切らないだろう。ならば誰が――。
「『金があればゾンビも畑を耕す』…といいます」
「――!」
「商人は数あれど――中には魔物の商人もいます。彼らは人間の商人よりもう少し――節操がありません」
となりのヤングジャンプ – [第127話] 転生ゴブリンだけど質問ある?
意味
「金があればゾンビも畑を耕す」という諺の意味は作中で言及されていない。
言葉をそのまま受け取ると、報酬さえ用意すれば本来は意思を持たないゾンビでさえ畑を耕す、という意味になる。
転じて、金さえ積めば忠誠心や思想信条、種族の壁などに関係なく、誰にでも仕事をさせることが可能であるという、意味だと推察される。
金銭の前では倫理観など無意味であるという、諦観や皮肉が含まれている可能性がある。
エピソード
この諺は、主人公アキラと交友関係にあったアルバート・サウス・ウインザー第三王子が、『キグナスの変』以降、アキラの前に姿を見せなくなったことを皇大后アナスタシアが聞き及んでいると名言した場面で登場した。
アキラの情報を売るような人物に心当たりがないアルバートは困惑したが、アナスタシアから金銭に対して節操がない魔物の商人から情報を得たことを示唆された。
これにより、アルバートは祖母であるアナスタシアに遠く及ばないことを自覚し、敬服したのだった。
類語
- 「地獄の沙汰も金次第」
- 「阿弥陀の光も銭次第」
- 「金の切れ目が縁の切れ目」