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ていそうかんねん – ぎゃくてん【貞操観念逆転】の解説
本来の意味
- 「貞操観念逆転」は、特定のジャンルの創作物のために作られた造語。「貞操観念(性的な純潔を重んじる考え)」と「逆転(立場などが反対になること)」を組み合わせた言葉であり、この言葉自体に本来の意味や現実世界での用例はない。
- 創作文化の中で生まれた、新しい概念と言える。
異世界用語としての意味
- 恋愛における男女の役割逆転
女性が恋愛において主導権を握り、男性に積極的にアプローチや求婚をするのが当たり前とされている。
逆に男性は、女性からのアプローチを待つ受け身の立場であり、純潔を守り、奥ゆかしく振る舞うことが美徳とされる。
例: 「壁ドンされて『今日からお前は私の夫だ』と宣言された。この世界の告白はあまりに情熱的すぎる…!」 - 社会における男女の役割逆転
現実世界の歴史で男性が担ってきたような、社会の要職や危険を伴う職業(騎士、兵士、冒険者など)は、主に女性が担っている。
そのため、男性がそうした職業に就くことは非常に困難で、周囲から偏見の目で見られたり、反対されたりすることが多く、男性は家庭を守るべき、という風潮が強い傾向にある。
例: 「『冒険者になりたい』と相談したら、先生に『男の子がそんな危ない仕事に就くものではありません』と諭されてしまった」 - 身体的・魔術的な能力差
女性が社会の主導権を握っている理由を補強するため、女性の方が男性よりも身体的、あるいは魔術的に優れているという設定が加えられることがある。これにより、男女の力関係が明確化される。
例: 「この世界では魔力は女性にしか宿らない。だから非力な男性は守られるべき存在なのだ」 - 極端な人口比率
多くの場合「男性の出生率が極端に低い」という設定が付与されることが多い。
男女比が「男1:女50」などのように、希少な男性は社会全体で保護・管理される対象とされる。
結果として一人の男性を巡って多数の女性が争うという構図が生まれる。
例: 「男子の転校生が一人来るというだけで、学園中の女子生徒が殺気立っている」 - 現代知識を持つ転生・転移者の主人公
物語の主人公は、現代日本など、我々の価値観を持つ世界から転生・転移してきた男性であることがほとんどである。
そのため、主人公は逆転した世界の常識に戸惑い、その価値観のズレがコメディや物語の葛藤を生み出す源泉となる。
例: 「荷物を持ってあげただけなのに『責任を取って結婚しろ』と迫られた」
語源
言葉の通り、「貞操観念」が「逆転」している世界、というその特性を直接的に表現した造語である。
作品を投稿するサイトの作者や読者の間で、このような設定を持つ作品群を分類・認識するためのタグやジャンル名として自然発生的に生まれ、定着していった。
用例
異世界: 「この世界は男が夜道を一人で歩くのは危険だ」
現実: 「最近、貞操観念逆転ものの小説にハマってるんだ。主人公がモテモテで羨ましいよ」
類義語
女尊男卑、男女逆転、ハーレム
反義語
男尊女卑、逆ハーレム
派生語
男女比1:10、男女比1:50、男女比1:100……
補足
「貞操観念逆転」は、読者が持つ「当たり前」の価値観を揺さぶることで、新鮮な驚きや面白さを生み出すための優れた舞台装置である。
主人公が現代の価値観で行動すると、逆転世界ではそれが「男らしくない大胆な行動」と映り、ヒロインたちが勘違いして惚れてしまう……といったコメディ展開が定番の一つとなっている。
また、単なるラブコメ設定に留まらず、社会的な性差や偏見といったテーマを逆の視点から描くための深い物語の土台となることもあり、Web小説の中でも近年人気が出てきたジャンルの一つである。