目次
あくやく‐れいじょう【悪役令嬢】 の解説
本来の意味
- 文学やドラマにおいて、物語の中で主人公の敵役として描かれる上流階級の女性。主に冷酷で高慢な性格が強調されるキャラクター像。
例: 「悪役令嬢は主人公をいじめる役割を担うことが多い」
異世界用語としての意味
- 主に乙女ゲームやロマンス作品で、物語の中で主人公(ヒロイン)を妨害する役割の貴族令嬢を指す。特に転生や憑依を通じて「悪役令嬢」に生まれ変わった人物が、悲劇的な運命を回避しようと奮闘する物語が人気。
例: 「悪役令嬢に転生したけれど、断罪エンドだけは避けたい!」 - 美貌や地位、知性を備えたキャラクターでありながら、悪役として扱われることに反発し、逆に新たな魅力や個性を発揮する設定が多い。
例: 「悪役令嬢だけど、裏では孤児院を支援していた」 - 悪役という立場が物語の展開を動かす要因となり、主人公として描かれることで、従来の「ヒロイン=善」の構図を問い直す試みがされることもある。
例: 「悪役令嬢が主人公を救うなんて、誰が予想しただろう?」
語源
「悪役」と「令嬢」の合成語。「令嬢」は高貴な家柄の娘を指し、「悪役」と組み合わせることで物語における敵対的なキャラクター像を示すようになった。
用例
異世界: 「悪役令嬢に転生したら、婚約破棄されて追放された」
現実: 「ドラマで悪役令嬢を演じた彼女の演技が話題だ」
類義語
異世界: 敵役貴族令嬢、転生令嬢、復讐姫
現実: 悪女、宿敵、対抗者
反義語
異世界: 主人公(ヒロイン)、純真令嬢、善良貴族
現実: 慈善家、協力者、友人
派生語
悪役令嬢もの(悪役令嬢を主人公に据えた作品)、断罪エンド(悪役令嬢が物語の最後に罰せられる結末)、改心令嬢(悪役令嬢が善行を積んで周囲から認められる展開)
補足
「悪女」や「悪”徳”令嬢」ではなく「悪”役”令嬢」と呼ばれるのは、この言葉が作中作の乙女ゲームの「悪役」に転生・憑依する作品で使われるためである。
作中作ではない異世界転生作品では「悪女」と呼ぶ方が自然だが、最近では、作中作でない悪女キャラが令嬢である場合は「悪役令嬢」と呼ばれることが増えてきている。
また、悪役令嬢作品は、読者が「悪役」の視点で物語を再構築する楽しさがある一方で、断罪や婚約破棄などのお約束展開がテンプレート化しており、マンネリズムに陥りがちである。