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つい‐ほう【追放】 の解説
本来の意味
- 法的または社会的に、特定の場所や組織から永久的または一時的に排除すること。
例: 「不正を行った者を追放する」 - 中世ヨーロッパなどでは、犯罪者や異端者を共同体から排除する行為として広く行われた。
異世界用語としての意味
- 主に、主人公やキャラクターが所属する組織や共同体(パーティ、ギルド、貴族の家、王国など)から理不尽な理由で排除されることを指す。追放後の成功が物語の主軸となることが多い。
例: 「追放された主人公が、持ち前の才能で新天地で活躍する」 - 理由が曖昧または不当な場合が多く、追放者の実力を正しく評価できない周囲の無能さが強調される傾向がある。
例: 「追放された元勇者が、実は最強の存在だったと判明する」 - ギルドや仲間からの追放が、主人公の成長や逆転劇を描くための物語の出発点となる定番プロットのひとつ。
語源
「追」(追い立てる)と「放」(解き放つ)の組み合わせで、古くは物理的な排除だけでなく、名誉や立場の剥奪も含む概念として使用されていた。
用例
異世界: 「ギルドを追放された主人公が、新たな仲間とともに冒険を始めた」
現実: 「汚職事件に関与した議員が党から追放された」
類義語
異世界: 放逐、放棄、排除
現実: 追い出し、除名、解雇
反義語
異世界: 招待、復帰、再評価
現実: 受け入れ、昇進、復権
派生語
追放者(追放された人)、追放令(追放を命じる法や命令)、追放生活(追放後の暮らし)
補足
異世界作品における「追放」は、キャラクターの逆転劇を描くための舞台装置である。
追放後に見せる主人公の成長や成功が、物語のカタルシスを生む鍵となることが多い。
特に、追放者が実は有能であり、追放した側の無能さや偏見が物語の批判対象として描かれることが定番。
また、視点の切り替えによって、追放された後の新たな仲間や環境での活躍が詳細に描かれる一方、追放した側が破滅や後悔に陥る描写も人気である。
異世界転生との比較
追放物は異世界転生している主人公は少なく、ファンタジー世界の住人が自己肯定感が低い状態で搾取されているパターンが多い。
また、追放物と異世界転生物の違いは、主人公の有能さの描かれ方に違いがある。
異世界転生物では主人公はアドバンテージを有しているものの基本的には努力や成長の描写がされるのに対して、追放物は実は主人公は超有能だったという描かれ方をされる。
異世界転生物は「人生やり直し願望の現れ」と読者が揶揄されていたが、追放物は「自分の有能さに周りが気づいていないという意識の現れ」であると指摘されている。
そのため、読者が他責思考になっており日本の衰退がここまで進んだか、という嘆きの声がある。