異世界創作諺「不敬なれども疾く祈請(ふけいなれどもとくきせい)」

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不敬(ふけい)なれども疾(と)く祈請(きせい)の解説

意味

魔法使いが呪文詠唱をする際、完全な詠唱を追求するあまり、身を危険に晒す事態を戒める諺。

神学に基づき、呪文詠唱は神への正式な祈りとされるが、死の危険が迫ったときは、たとえ感謝の言葉を省略し不敬であろうとも、速やかに魔法を発動することが肝要であるという教えを含む。

転じて、完璧を目指すよりも一旦の完成、すなわち迅速な行動を優先するべきだという戒めとしても用いられるようになった。

用例

  • 「見よ、詠唱破棄でもゴブリンならば屠れるのだ。不敬なれども疾く祈請は知っているな? ダンジョンではどのモンスターにどこまで詠唱が必要か咄嗟に判断できなければ命取りとなるぞ」
  • 「あの新入り、ミノタウロスに完全詠唱の隙を突かれて死にかけたんだ。不敬なれども疾く祈請の心得が身に染みたことだろうよ」
  • 「いくら打ち直してもお前さんの技量じゃその剣が限界よ。不敬なれども疾く祈請というだろう? 一旦完成させてから次を考えるこった」

語源

この諺は、魔法使いが完全詠唱を重視するあまり、自らの身を危険に晒してしまう状況から生まれたものである。

完全詠唱とは、神への礼儀正しい請願とされ、魔法の出力も最大限に引き出される。

しかし、詠唱を省略または破棄する行為は神への敬意を欠くものと見なされ、魔法の効果も低下すると考えられている。

そのため、完全詠唱は重んじられているが、戦闘などの緊急時においては、詠唱の完璧さを追求することがかえって命を危険に晒す要因となる。

事実として、神学院において真摯に神学を学んだ魔法使いほど、状況に応じた詠唱破棄や省略を行わず、その結果、ダンジョンなどの危険地帯で命を落とす事例が多発した。

これを憂慮した神学院では、危機的状況下においては「不敬なれども疾く祈請」の心得を説き、形式にとらわれず速やかに魔法を発動することを推奨する指導がなされるようになった。

また、危機を脱して安全が確保された後には、必ず神への感謝の祈りを捧げるよう指導されている。

これは、過去に長期間にわたって詠唱破棄を続けたにもかかわらず、神への感謝を怠った魔法使いが、神の加護を失い、魔法の出力が著しく低下した事例が存在するためである。

類語

  • 「巧遅は拙速に如かず」
  • 「完璧を目指すよりまず終わらせろ」

注意

この諺・慣用句は創作であり、実際には存在しません。

人名や地名、物の名称なども架空のものを作っています。(もし、命名が既存の作品と被っていたら申し訳ありません)

異世界系のWEB小説を執筆されている方が、架空の諺や慣用句を作る際の参考にしていただければ幸いです。

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