おすすめWEB小説紹介『アスクラピアの子』

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アスクラピアの子

2023年から掲載が始まったので、WEB小説としては最近の作品。

書籍化されており、書籍は一巻まで出版されている。

作品概要

こういうと陳腐な言い回しだが、愛の物語である。

始まりは名前も知らない異世界の地だ。そこの薄汚れた下水道で、俺は浮浪児共に抱き着かれた格好で目を覚ました。
 チート? んなもんねえよ。あるのは、朧気な『ディートハルト・ベッカー』とかいうガキの記憶と、そいつにあったアスクラピアの『神官』としての力。俺は生き残る為に、こいつを少しばかり使える力にしなきゃいけない。

 アスクラピアの二本の手。

 一つは癒し、一つは奪う。

 彼の者は永遠に一である。

 多に分かれても一である。永遠に唯一のもの。

 一の中にこそ、多を見出だせ。

 多を一のように感じるがいい。

 そこに始まりと終わりがあるだろう。

 そして――

 風に揺らぐロウソクよ。一思いに死ね!

 母によって作られたものは、皆、死を目指すのだ!

 熱き血よ。お前はもう消え去れ、そしてそれを喜べ。

 死は歓喜であり、全ての困難からの解放である。

 心臓よ。お前の熱き血を天に飛散させよ。

 潔く散れ!

 青ざめた唇の女。本性は蛇。復讐と癒しを司り、自己犠牲を好むしみったれた女神、『アスクラピア』に永遠の祝福(災い)あれ!!

カクヨム – アスクラピアの子

後述している『関連作品』の項目にもあるが、前作の作品として『猫とワルツを』と『S・D・G』が存在する。

順番通りに読むなら『猫とワルツを』→『S・D・G』→『アスクラピアの子』の順になるが、『アスクラピアの子』から読んでも問題ない。

感想

憑依転生系の異世界転生物。

主人公は激情の人であるため、思い切りの良さと苛烈さを持って物事を進めていく。

しかし、その行動の根底には思い遣りがある。

主人公が神官なのに、そんな苛烈なことして大丈夫なのかといえば、この世界の女神『アスクラピア』は癒しと復讐を司っているので、報復するのは問題ない。

仏教でもキリスト教でもそうだが、宗教というのは隣人愛や博愛、無償の愛といった考えを教えとしていることが多い。

語弊がありまくりのざっくりとした言い方をするなら、仏教は執着をやめよという話だし、キリスト教は皆仲良くしようよという話だ。

現代日本で「愛している」というと恋人や夫婦の愛情を指すが、この気持ちは配偶者に執着しており、なにをするにも配偶者を優先する気持ちである。

これは仏教的には配偶者に執着してしまっているし、キリスト教的には博愛や無償の愛とは別の愛だ。

愛=執着と言ってもいいだろう。

自己愛も家族愛も愛だし、肉欲も独占欲も愛。マニア的執着も愛だし、収集癖も愛。

アスクラピアは現代でいうところの愛を是としており、それによって物語が愛に偏重していく。そこが良い。

愛(執着)がなければ何をされても心は動かないが、愛(執着)があるから復讐したいと思うのは道理だ。

癒しと復讐を司る女神アスクラピアが、人間臭い愛を是とするのは頷けるだろう。

そんな女神様の神官である主人公は、自身に実害があろうとも戒律を破って他者を愛してしまうのだから、全く、人間臭くていいキャラをしている。

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関連作品

猫とワルツを

2011年から掲載されているので『アスクラピアの子』の十年以上前に掲載されていた作品。

作品概要

エミーリア騎士団で新しく発足することになった第12旅団。傭兵上がりの副長さんが、上官のボクっ娘にツンデられたりヤンデられたりしながらも必死で部隊を運営する面白くも、涙なしでは語れないお話。

小説家になろう – 猫とワルツを

『アスクラピアの子』の主人公ディートハルト・ベッカーの兄として名前が登場していたレオンハルト・ベッカーが主人公となっている作品。

世界観も同じで『アスクラピアの子』でも登場する用語や地名、人名が登場する。

『アスクラピアの子』よりも過去の話で、つながりはあるが、『アスクラピアの子』から読んでも問題ない。

ちなみに、『猫とワルツを』は書籍化はしていない。

S・D・G

2012年から掲載されているので『アスクラピアの子』の十年以上前に掲載されていた作品。

作品概要

目を覚ます。
そこは8年前、クリアーしたゲームの世界。悪い騎士も、ラスボスのドラゴンもいない世界。

Sadisticで
Dramaticな
Gameの世界。

今再び、ゲームの幕が上がる。

小説家になろう – S・D・G

『アスクラピアの子』の主人公ディートハルト・ベッカーの兄として名前が登場していたレオンハルト・ベッカーが主人公となっている作品。

世界観も同じで『アスクラピアの子』でも登場する用語や地名、人名が登場する。

『S・D・G』も『アスクラピアの子』と同じように憑依転生系の異世界転生物だ。

『アスクラピアの子』とのつながりは感じられるが、『アスクラピアの子』から読んでも問題ない。

ちなみに、『S・D・G』は書籍化はしていない。

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