元・世界1位のサブキャラ育成日記 ~廃プレイヤー、異世界を攻略中!~
2017年から掲載が始まったので、WEB小説としては新しめの作品。
書籍化とコミカライズがされており、書籍は9巻、コミカライズは10巻まで刊行されている。
作品概要
ゲームの世界に異世界転生して、誰よりも強くなることを目指す物語。
――世界1位は、彼の「人生」だった。
小説家になろう – 元・世界1位のサブキャラ育成日記 ~廃プレイヤー、異世界を攻略中!~
中学も高校もろくに通わず、成人しても働かず、朝昼晩とネットゲーム。たかがネトゲに青春の全てを費やし、人生まるごと賭けちゃった男は、世界ランキング1位に君臨していた。
そんな彼が、ひょんなことから異世界へと転生してしまう。
その世界は、なんと彼の愛したVRMMORPG“メヴィウス・オンライン”にそっくりだった。
しかし、彼の転生した姿は、過去に作成したきり放置していたサブキャラクター“セカンド”……まだなんの育成もしていない倉庫キャラクター。
元・世界1位の廃プレイヤーが、ネトゲそっくりの異世界へと生まれ変わる。それは、途轍もない伝説の幕開け。
ぽんこつ女騎士、ちっちゃな猫獣人、冷淡なダークエルフなど、大勢の個性的な仲間と共に、彼の「世界1位」を取り戻す育成が今始まる――。
感想
死んだらゲームの世界とそっくりな異世界に転生する、ゲームの中に入っちゃった系の異世界転生物。
ゲームにすべてを奉げて世界一になるぐらいのゲーム廃人が、自殺して自分が使っていたサブキャラとして転生する。
ゲームの中に入っちゃう系の物語で定番なのが、ゲーム知識を生かして効率的にレベル上げをしたり、イベントを消化したり、資金を稼いだり、成り上がったり、という展開だろう。
本作も同じような展開なので、よくあるテンプレ通りのなろう系WEB小説なのだが、本作の良い点は主人公が異世界でも世界一になろうという目標があること。
スローライフをしたいとか、現実に戻るために手掛かりを探るとか、そういうことを目標にするのではなく、物語冒頭から世界一になるという決心を決めるので、もうこの後の物語は鍛錬と戦闘に終始する。それがよい。
本作の異世界は死んだらお終いという現実と変わらない世界観なので、死んでも蘇生魔法で生き返るということがない。
そのため、この異世界の住人は死ぬような危険を冒してまで術を体得しようとはしないので、主人公から見ると非効率で低次元な戦闘を行っているように見える。
主人公は「これなら簡単に世界一になれるかも?」と思いつつ、効率的に術を体得していくが、道中に術の体得方法を秘匿して既得権益にしている権力者もいる。
主人公にとって、そういう権力者は気に食わない。
術の会得方法を皆が知っている方がお互いに切磋琢磨していき皆の技術があがるはずなのに、それを妨害している権力者は邪魔者である。
なぜなら、この主人公が目指す世界一とは誰よりも強いことではなく、観客がいるトーナメント形式の大会で、観客を「なんて凄いんだ」「自分もああなりたい」と魅了する試合をしたうえで、すべての大会で一位を獲得することを「世界一」と呼んでいるからだ。
観客を魅了するには出場者の実力が伴っていないといけないので、主人公としては対戦相手にも強くなってもらいたい。
だからその手助けもする。それでいて自分も鍛錬する。そして熱い試合を観客にみせる。
主人公の言動が、ゲーム廃人なりの矜持というものを感じさせるので、読んでいて気持ちがいい。
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