異世界転生ダンジョンマスター 温泉ダンジョンを作る
2024年から掲載が始まったので、WEB小説としては最近の作品。
『異種族レビュアーズ』や『平穏世代の韋駄天達』、『33歳独身女騎士隊長。』、『貞操逆転世界』などの漫画を手掛けている天原先生が初めて小説を書いたという。つまり小説処女作である。
作品概要
異世界転生系のダンジョン経営物。
「あなたは、ウチのダンジョンマスターとして転生したのです
多くの冒険者を欲で誘い込み、探索と戦闘で、彼らの血と魔力と命を
吸い取れるダンジョンを作ってください、マスター」ある日、現世の病院で死にかけていた男は、不思議な幻聴を耳にする
俺にダンジョンマスターとして、ダンジョンの運営をしろというのだ
やけに具体的な幻聴を前に
男はダンジョン経営の構想にふけりながら、病気で亡くなるそして今、幻聴の言っていた通り、本当にダンジョンマスターとして転生した男は、幻聴の主であるダンジョンコアに対しこう告げる
「よし…温泉ダンジョンを作るぞ」
こうして俺のダンジョン経営はスタートした
小説家になろう – 異世界転生ダンジョンマスター 温泉ダンジョンを作る
感想
設定自体は異世界系作品ではお馴染みのダンジョン経営物である。
ダンジョンマスターとして異世界に転生し、ダンジョンを成長させるために現地人をダンジョンに誘い込んでダンジョン育成の糧にする。ダンジョン経営物ではお馴染みの設定だ。
温泉に特化させてリピーターを呼び込む展開は悪くないが、まぁありそうな話だなと思いつつ読み進めると、やっぱり天原先生。物語を広げるのが上手い。
天原先生は『異種族レビュアーズ』や『貞操逆転世界』でもそうだが、異世界の設定を掘り下げるのが上手い。
それでいて、真面目でシリアスな話に終始せずギャグ路線に戻してくれるので笑って読むことができる。
例えば本作では、主人公が色々とダンジョンの施策を打つ度に女王が急いで対応する羽目になる。
ダンジョン産の物品が地上の既得権益と重複していたりするので、女王は価格の暴落を防がないといけなかったり、既得権益の受益者から攻め込まれないように調整する必要がある。
そういう真面目な話もありつつ、でもやっぱりギャグ路線にすぐ戻ってくれる。
女騎士が、貴族の令嬢が、温泉に入って美肌になって嬉しい嬉しいという話に戻ってくれる。
うんうん。やっぱり女騎士といえば天原先生だ。
天原先生の著作『33歳独身女騎士隊長。』が好きな人なら本作も楽しめるはず。
是非読んでもらいたい。オススメだ。
余談だが、天原先生曰く本作は『小説家になろう』の機能を試してみるための遊び(実験)として掲載しているらしい。
そのため、天原先生が飽きたら続きが更新されなくなる可能性がある。完結まで更新されることを祈ろう。