戦国小町苦労譚
2013年から掲載が始まったので、WEB小説としては古めの作品。
書籍化とコミカライズがされており、書籍は十七巻まで、コミカライズは十六巻まで出版されている。
作品概要
戦国時代へのタイムスリップ物。
女子高生がタイムスリップした先で織田信長と出会って、農業をしたり武器を作ったりする物語。
ある日、一人の少女が戦国時代へタイムスリップした。
それこそ神の気まぐれ、悪魔の退屈しのぎといえるほど唐突に。少女は世界を変える力を持っているわけではない。
どこにでもいるごく普通の、そして平凡で地味な少女だった。
そんな少女が出来る事は一つだけしかない。戦国時代を生き抜く――――それだけだ。
小説家になろう – 戦国小町苦労譚
感想
物凄く端的に言えば、戦国時代ににタイムスリップした女子高生が現代知識無双するお話。
主人公が歴女かつ農業も狩猟も祖父に仕込まれていて、タイムスリップ時の手荷物に兵器に関する書籍もあったりと、ご都合主義といえばご都合主義な設定である。
でも、そんな細かいことは気にしても仕方がない。
これは戦国時代を現代知識で無双する様を楽しむ物語なのだから。
農業の現代知識で豊作にするために奮闘して、害獣を仕留めるためにボウガンを作らせたりして、それが織田信長に評価されて、ズルズルと内政や戦にも顔を出すことになって、徐々に徐々に出世しちゃったりして。
舞台が戦国時代というだけで、展開はよくある成り上がり系の異世界転生作品と同じルートである。
だからこそ、現代知識無双で成り上がる話と楽しみたい時には、期待を裏切られることなく楽しめる。
また、物語がちゃんと一年ずつ進んでいくので、物語の進み方が緩やかで丁寧なのもよい。
「千五百六十五年 四月上旬」「四月中旬」「五月上旬」という具合に、少しずつ物語がが描かれていくので、突然タイムジャンプして「あれから〇年後、私は〇歳になった」みたいな展開がない。
個人的には、ああいうタイムジャンプ系はあまり好きではないので、そういう意味でも本作は気に入っている。