異世界転生(いせかいてんせい)とは? 意味・読み方・使い方

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いせかい‐てんせい【異世界転生】 の解説

本来の意味

  1. 人の魂が別の体に移り、新たな人生を始めることを指す宗教や哲学的概念の一種。輪廻転生(りんねてんしょう)の一形態として考えられる。
    例: 「彼は来世では異世界転生を望んでいるらしい」

異世界用語としての意味

  1. 主人公が現実世界での死を経て、異世界で新たな人生を始める物語の設定。ほとんどの場合、異世界では特別な能力や地位が与えられる。
    例: 「トラックに轢かれて異世界転生したら、最強の魔法使いになっていた」
  2. 現実世界ではあり得ない成功や冒険を描くための舞台装置として機能する。現実で報われない主人公が異世界でチート能力を得て活躍する展開が定番。
    例: 「現世では冴えない彼も、異世界転生でハーレム王に」
  3. 「転生」の設定を使い、物語開始時から主人公が読者より異世界の状況に詳しいというアドバンテージを持たせることも多い。
    例: 「この異世界、前世のゲームの世界だ!」

語源

「異世界」と「転生」の合成語。転生という概念自体は宗教や哲学に由来するが、異世界という舞台と組み合わせることで近代的な創作用語として確立された。

用例

異世界: 「異世界転生したら前世のゲームの世界でした」
現実: 「異世界転生というジャンルが今の流行だ」

類義語

異世界: 異世界転移、異世界召喚、輪廻転生
現実: 再生、生まれ変わり

反義語

異世界: 現世、現実世界の生き返り
現実: 輪廻からの解脱、無

派生語

異世界転生もの(異世界転生をテーマとした作品)、チート転生(異世界で極端に有利な能力を得る転生)、転生勇者(異世界転生後に勇者となる設定)

補足

異世界転生は、死後に異世界で生まれ変わることであるが、前世の自我がいつからあるかは作品によって異なる。

生まれたばかりの赤ん坊で前世の自我がある場合もあれば、異世界の住人が死にかけたり頭を強く打つなどの衝撃があった時に前世の記憶が蘇る場合もある。

前者の場合は、赤ん坊の体のために自由が利かないため苦労する描写があったり、異世界の言葉を覚えるところからやり直しという苦労が描かれることが多い。

後者の場合は、前世の記憶が蘇ったことで異世界で育ってきた人格と前世の人格が溶け合うパターンと、完全に前世の人格になるパターンがある。

物語の都合上、前世の人格になる方が物語を展開させやすいため前世の人格になることの方が多い。

また、前世の記憶を思い出す場合、自分が生きている異世界が実は前世で触れたことのあるゲームや漫画や小説と同じ世界観であることに気づく、という展開も頻出する。

批判

異世界転生は、現実での失敗や不満を解消し、理想的な人生を描く「願望充足型」作品の代名詞となっている。

そのため、読者にとってはストレス発散や夢を見る手段となるが、しばしば「ご都合主義」や「似たような展開ばかり」との批判も受ける。

また、異世界転生物は「人生やり直し願望の現れ」と読者が揶揄されがちでもある。

異世界転生の読み方

仏教用語では漢音ではなく呉音で発音するため、転生の読み方は「てん”せい”」ではなく「てん”しょう”」となるが、「異世界転生」の場合は「いせかいてんしょう」とはならず、「いせかいてんせい」と発音する。

異世界転生と異世界転移の違い

異世界転生と異世界転移との違いは、異世界転移は主人公が死亡せずに元の体のまま異世界へ転移してしまうのに対し、異世界転生は主人公が死亡して異世界で異世界生物の体で新しい生を得る。

異世界転生の主人公は異世界で生涯を終えるつもりで生きていくが、異世界転移の主人公は地球に戻ることを目標に活動することが多い。

例えば、異世界の召喚魔法で勇者として召喚された主人公は魔王討伐の任を終えたら地球に返してもらえる、という設定などがある。

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