いせかい‐てんい【異世界転移】 の解説
本来の意味
- 現実の物理法則を無視し、別の場所や次元へ移動すること。科学的根拠はなく、ファンタジーやフィクションで使われる概念。
例: 「異世界転移は現実的には不可能だが、夢のある発想だ」
異世界用語としての意味
- 主人公が何らかの理由で異世界へ移動する物語の設定。転生とは異なり、現世での肉体や意識を持ったまま異世界に移動するのが特徴。
例: 「突然、魔法陣が現れて異世界転移してしまった」 - 主に異世界召喚や偶然の事故として描かれる。現実世界から来た人間として、異世界での文化の違いや困難に立ち向かう展開が一般的。
例: 「異世界転移したけど、チートもなにもないんですか?」 - 現実での能力やアイテムが異世界で突出した効果を持つなど、物語上のチート展開を促進することが多い。
例: 「異世界転移といえばチートはテンプレだよな」
語源
「異世界」と「転移」の合成語。「転移」は物理的な移動を指し、異世界との組み合わせにより、フィクションの設定として定着した。
用例
異世界: 「異世界転移した途端、王様に迎えられた」
現実: 「異世界転移というジャンルが流行している」
類義語
異世界: 異世界転生、異世界召喚、次元移動
現実: ワープ、瞬間移動
反義語
異世界: 現実世界への帰還、現実固定
現実: 地道な移動、日常的な引っ越し
派生語
異世界転移もの(異世界転移をテーマとした作品)、強制転移(異世界へ無理やり送り込まれる設定)、偶然転移(偶発的に異世界へ移動する展開)
補足
異世界転移は、日常と非日常の橋渡しとして物語を劇的に動かすきっかけを提供するジャンル設定の一つ。
ただし、「ご都合主義」的展開や異世界文化への適応が早すぎる設定が批判の対象になることも多い。
ちなみに、WEB小説での異世界転移という文脈は前述してきた通りだが、異世界に転移する物語は昔から多くあり、海外の作品だと『果てしない物語』や『ナルニア国物語』などが浮かぶ。
また、子供向けアニメを例にとっても『魔神英雄伝ワタル』『NG騎士ラムネ&40』『デジモンアドベンチャー』『レイアース』『十二国記』などなど、枚挙に暇がない。
しかし、前述した作品をわざわざ異世界転移物と呼ぶことは、ほぼないだろう。
つまり、異世界転移といえばWEB小説でお決まりのファンタジー世界へ転移するもののみを指す。
異世界転生と異世界転移の違い
異世界転生と異世界転移との違いは、異世界転移は主人公が死亡せずに元の体のまま異世界へ転移してしまうのに対し、異世界転生は主人公が死亡して異世界で異世界生物の体で新しい生を得る。
異世界転生の主人公は異世界で生涯を終えるつもりで生きていくが、異世界転移の主人公は地球に戻ることを目標に活動することが多い。
例えば、異世界の召喚魔法で勇者として召喚された主人公は魔王討伐の任を終えたら地球に返してもらえる、という設定などがある。