追い詰めたトカゲがドラゴンの孫
『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』の第一巻第一章「邪神への転生」にて、〈廃太子〉ドラクゥの指揮下にある兵(敗残兵)を掃討するために派遣されたホブゴブリンのル・ガンが発した台詞。
突然の伏兵にも〈廃太子〉の兵は見事に対応した。
丘の上に集まり、二〇〇で密集した陣形を組む。
なるほど、流石は名高い〈廃太子〉である。何が敗残兵か。精兵の如き動きではないか。
だがそれだけだ。
兵は疲れ、傷付いている。
伏兵は三〇〇を指揮するホブゴブリンのル・ガンは片頬だけで嗤った。左の頬は、動かない。乱暴に縫い付けた古傷があるだけである。
「”追い詰めたトカゲがドラゴンの孫”と、いうことだな」
アルファポリス – 立ち読みサンプル『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』
意味
意味は作中で言及されていない。
諺をそのままの意味で受け取ると、下記のように解釈できる。
- トカゲは一般的に弱い存在と見なされ、ドラゴンは強大な力を持つ伝説の生物として対比される。この対比は、弱者が実は強大な可能性を秘めていることを示唆している。
- トカゲがドラゴンの孫であるとされるのは、危機に瀕したときの反撃や潜在能力の発揮を意味している可能性がある。
この解釈は、日本の諺「窮鼠猫を噛む」に似ており、弱者が追い詰められると予想外の力を発揮するという普遍的なテーマを反映していると考えられる。
また、敗軍の将となった〈廃太子〉ドラクゥは元々は大魔王の血に連なる者であり、総大将という立場であったことから、「盛者必衰」や「腐っても鯛」というニュアンスも含意している可能性もある。
エピソード
「追い詰めたトカゲがドラゴンの孫」とは、『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』の第一巻第一章「邪神への転生」にて登場した言葉。
この言葉は、〈廃太子〉ドラクゥの指揮下にある兵(敗残兵)を掃討するために派遣されたホブゴブリンのル・ガンが敗残兵と対峙した感想として発した台詞である。
ここでの「トカゲ」はドラクゥの現在の姿、つまり少数勢力で劣勢に立たされている弱者を指す。
一方、「ドラゴンの孫」は彼の大魔王の血に連なるエリートとしての血筋と、元々の立場であった総大将としての力量や逆転の可能性を象徴している。
ル・ガンは現場からの叩き上げの武人であり、生まれながらのエリートであるドラクゥと戦うことは誉れであると認識している。
ル・ガンが発した「追い詰めたトカゲがドラゴンの孫」という言葉は、ル・ガンが敗軍の将となったドラクゥを侮ることをしておらず、劣勢に立たされているドラクゥを強者と見做し、油断なく挑もうとしている様を表している。
類語
- 「腐っても鯛」
- 「窮鼠猫を嚙む」
- 「背水の陣」
- 「窮すれば通ず」
- 「火事場の馬鹿力」
書籍化
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