俺は星間国家の悪徳領主!
2018年から掲載が始まったので、WEB小説としては新しめの作品。
書籍化とコミカライズがされ、アニメ化も決定している。
書籍は九巻まで、コミカライズは七巻まで刊行されている。
作品概要
前世がお人好しだったせいで不幸な末路を辿った主人公が、来世では好き勝手に生きると誓って異世界で悪徳領主として生きる、すれ違いコント系の作品。
リアム・セラ・バンフィールドは転生者だ。
小説家になろう – 俺は星間国家の悪徳領主!
剣と魔法のファンタジー世界に転生したのだが、その世界は宇宙進出を果たしていた。
星間国家が存在し、人型兵器や宇宙戦艦が戦うスペースオペラな世界。
貴族たちが支配する帝国の伯爵家に転生したリアムには野望があった。
それは――悪徳領主になることだ。
前世、不幸にも全てを失い絶望の中で死んだリアム。
――善良に生きるなんて馬鹿らしい。
――好き勝手に生きてやる。
そんな気持ちを胸に、第二の人生を歩もうとするのだが、価値観の違いから名君として崇められてしまう。
リアムは無事、悪徳領主になれるのだろうか?
感想
ファンタジーな世界観でありながら宇宙進出している時代という、SFファンタジーな世界に転生する異世界転生物。
本作はストーリーに感動できるとかそういうことはなく、『こち亀』や『トムとジェリー』のように、お決まりにの流れをずーっと楽しむタイプの作品だ。
本作は、主人公が悪徳領主っぽいことを意識的にしているつもりだが、周りは悪徳なことをしているとは思わずに主人公は尊敬を集めてしまうという、すれ違いコント系のギャグ作品である。
主人公を異世界に転生させた「案内人」と呼ばれる男は、人間の悪意を糧に生きている。
案内人は主人公を利用して憎悪や悪意を引き出そうと画策するのだが、毎度毎度上手くことが運ばず、主人公から感謝されてしまう始末。
案内人は人間からの悪意を糧にしている反面、感謝されると弱体化してしまうので、自分に感謝し続ける主人公を排除しないと決意するのだが、これが上手くいかない。
これをずーっと繰り返すのだが、これが『こち亀』の定番の流れと同じように機能している。
『こち亀』の両津勘吉がやることなすこと途中まではいい感じに進むのに、最後の最後で大ポカをやらかして大原部長から大目玉を食らうという、あの定番の流れ。
『こち亀』に対して、長編ストーリーの文句を言うことがないのと同じで、本作にも長編ストーリーについて何か苦言を呈すのは野暮というもの。
各章ごとに「主人公が周りに勘違いされながら人生を謳歌して、主人公を陥れようと画策する案内人は痛い目をみる」というお決まりの繰り返しをゆる~く楽しむのが正解だ。
想像を裏切る予想だにしていない結末を売りにする物語は、確かにストーリーが面白い。
だからと言って、お決まりの流れがある物語が劣っているわけじゃない。
お決まりの流れがあるということは、それが定番の面白さであることの証左であり、それだけキャラクターに魅力があるということだ。
本作は、気を張らずに息抜きとして読めるので、気軽な読み物としてオススメだ。
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WEB掲載漫画 – コミックガルド
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アニメは2025年4月からテレビアニメとして放送される。

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