デビュタント(débutante)とは? 意味・読み方・使い方

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デビュタント【débutante】 の解説

本来の意味

  1. フランス語の “débutante” に由来し、「社交界に初めて正式に参加する若い貴族女性」を指す。
  2. 年頃の女性ではなく、社交界デビューの儀式や舞踏会そのものを指す場合もある。
  3. 貴族制度が衰退すると、デビュタントは上流階級の伝統行事の一部として存続したものの、その意味合いが変化し「裕福な家の娘が正式に社会に出る儀式」「伝統的な舞踏会に参加し、社交界に加わる機会」といった意味合いとして、資産家の娘が参加する華やかなイベントとして受け継がれている。

異世界用語としての意味

  1. 異世界ファンタジーでは、貴族制度が色濃く残る社会設定が多く、デビュタントは「貴族の娘が正式に社交界に加わるための成人の儀式」として描かれることが多い。
    例: 「デビュタントの場で、彼女は堂々たる立ち振る舞いを見せた」
    例: 「デビュタントが近づいてきて不安になってきたか? 心配せずともよい。挨拶を間違えたところで咎められることもない。王族に貴族として認めてもらうとはいうが、要は顔見せするだけのことだ」
  2. 社交界デビューの場として、貴族間の婚約、政略結婚、家同士の関係を深めるための重要イベントとして機能する。
    例: 「この国のデビュタントは、単なる舞踏会ではなく、貴族社会の将来を左右する場でもある」
  3. 一部の作品では、デビュタントの場で魔法の適性を披露したり、特殊な試験を受ける設定がある。
    例: 「デビュタントで王族に認められた者は、次期宮廷魔導士の候補となる」
    例: 「デビュタントで魔力持ちであると証明できなければ貴族として認められない」

語源

フランス語 “débutante” に由来し、「初めて社交界に登場する女性」を指す。

またはその舞台となる儀式や舞踏会を指すこともある。

用例

異世界: 「彼女のデビュタントは、王城の舞踏会で盛大に行われた」
現実: 「19世紀の貴族社会では、デビュタントの舞踏会が一大イベントだった」

類義語

異世界: 社交界デビュー、貴族成人式
現実: 社交界舞踏会、成人披露宴、初社交

反義語

異世界: 引退、隠遁、庶民落ち
現実: 社交界離脱、庶民生活、没落

派生語

デビュタント・ボール(正式な社交界デビューの舞踏会)

補足

デビュタントの概念は、異世界ファンタジーにおいて貴族社会の文化や権力関係を描く重要な要素の一つとなっている。

物語によっては、貴族の社交界デビューという一つのイベントとして一話で消費する場合もあるが、単なる社交デビューの場ではなく家門の繁栄や没落を決める重要な舞台装置として活用する物語もある。

また、社交界デビューの舞台としてのデビュタントの場所も作品ごとに異なる。

例えば下記のような設定がある。

  • 毎年、王城などの大きな舞台でデビュタントのための舞踏会を開催し、社交界デビューの令嬢が一堂に会する
  • 社交界デビューする娘の親が主催し、繋がりのある貴族を招待して、自分の屋敷でデビュタントを行う。

前者の場合は毎年の恒例行事という扱いで、今年は誰が一番注目を集めるか、などが描かれる。

また、大貴族や王族の娘が社交界デビューする年のデビュタントが特別であるように描かれることもある。

後者の場合は、如何に娘の社交界デビューにお金を使ったかで財力を誇示したり、招待する貴族の繋がりや格を見せることで人脈や権力の強さを誇示することがある。

また、敵対する家門同士の娘のデビュタントが同じ年の場合、敢えてデビュタントの日程を合わせて相手のデビュタントに招待客を行かせない、という家門同士の対立を描く場合もある。

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