ドワーフに火酒(かしゅ)エルフに甘味(かんみ)の解説
意味
「ドワーフに火酒エルフに甘味」とは、相手の大好物を理解し、それを与えることで目的を達成したり、効果的な関係を築けることを指す慣用句。
冒険者たちの間では「相手が喜んで飛びつくほどの贈り物をする」行為を表す慣用句として使われている。
または、単に相手の大好物であることを指して使われる場合もある。
用例
- 「鍛冶屋の親父さんに無茶を言ったらしいな。ドワーフに火酒エルフに甘味という言葉を知らんのか、まったく。儂が手土産を持って頭を下げてくるわい」
- 「ドワーフに火酒エルフに甘味というだろう。交渉に行く前に相手の好物ぐらい調べておけ」
- 「許してくれよ。ドワーフに火酒エルフに甘味だったんだ。恩寵品の名刀を見せられて断れるやつは冒険者になんてなってねぇよ」
語源
冒険者たちの暮らしの中で生まれた慣用句。
「ドワーフに火酒」とは、鍛冶屋として名高いドワーフに無理なお願いをする際や、覚えをめでたくしてもらうために差し入れる火酒が効果的であることから生まれた言葉。
酒はドワーフの文化においても日常的に嗜まれる飲み物であり、酒精の弱い酒は水代わりに飲まれている程である。
そのため、ドワーフが酒を酒として楽しむために、酒精の強い酒を贈ると喜ばれる。
そういった文化的背景から、冒険者は鍛冶屋のドワーフには酒精の強い蒸留酒(火酒)を贈るようになった。
「エルフに甘味」とは、娼館で働く美しいエルフの娼婦に対し、贔屓客として覚えをめでたくしてもらうために贈り物をする習慣に由来する。
美しい見た目と年上の包容力を併せ持つエルフの娼婦は冒険者に人気が高く、指名をしても何か月も順番待ちになる程なので、客である冒険者よりも娼婦であるエルフの方が立場が上になっている。
そのため、エルフから「あの客ならば」と逆指名されることを期待して、冒険者は客としての立場を強化するために差し入れを贈ることが習慣となった。
また、金品や宝飾品を娼婦に直接渡すのは娼館の掟に反するため、消え物を差し入れるようになっていった。
その中でも、砂糖菓子のような日持ちする上に甘く美味しい食べ物が好まれたため、エルフの娼婦には甘味を贈ることが習慣として根付いた。
類語
- 「猫に木天蓼お女郎に小判」
注意
この諺・慣用句は創作であり、実際には存在しません。
人名や地名、物の名称なども架空のものを作っています。(もし、命名が既存の作品と被っていたら申し訳ありません)
異世界系のWEB小説を執筆されている方が、架空の諺や慣用句を作る際の参考にしていただければ幸いです。