「疑えば山影も竜」『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』の架空の諺(ことわざ)・慣用句

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疑えば山影も竜

『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』の第一巻第五章「人熊の邪神」にて、〈廃太子〉ドラクゥと敵対する陣営であるリ・グダンの部下が発した台詞。

「ドラクゥの策、ということも有り得る。自分の生死すら流言飛語に使う男だ。〈淫妖姫〉を利用していないとは言い切れない」

「”疑えば山影も竜”と古典にも申します。考え過ぎではありませんか」

『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』第一巻 第五章 人熊の邪神

意味

意味は作中で言及されていない。

諺をそのままの意味で受け取ると、下記のように解釈できる。

  • 「疑えば」: 疑い深さや過剰な警戒心を指す
  • 「山影」: 山の影、つまり実際には無害な自然現象や些細な事象を意味すると考えられる。
  • 「竜」: 伝説上の強大な生物であり、恐怖や脅威の象徴。

この構造から、「疑えば山影も竜」とは、疑い深さや警戒心が過剰になると、実際には無害なもの(山影)が大きな脅威(竜)に見えてしまうという意味合いを持っていると推測される。

つまり、疑心暗鬼によって現実を誤って判断し、小さなことを過大に捉えてしまう人間の心理を表している。

エピソード

「疑えば山影も竜」とは、『邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか』の第一巻第五章「人熊の邪神」にて登場した言葉。

この言葉は、〈廃太子〉ドラクゥと敵対する陣営であるリ・グダンが、協力関係にあるはずの〈淫妖姫〉の意図しない行動の思惑を探っている中で、部下と会話している際に登場した台詞である。

リ・グダンは〈廃太子〉ドラクゥを倒すための策の協力者として〈淫妖姫〉と利害関係にあったが、〈淫妖姫〉が想定よりも早く毒を川に流し始めたことにより、疑心暗鬼に陥った。

〈淫妖姫〉の行動の意図を思案している際に、部下から「”疑えば山影も竜”と古典にも申します。考え過ぎではありませんか」と指摘されたが、リ・グダンは〈廃太子〉ドラクゥを恐れるあまり部下の言葉に耳を傾けることができなかった。

リ・グダンが恐怖に駆られ疑心暗鬼に陥っている様を示している場面である。

類語

  • 「疑心暗鬼を生ず」
  • 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」
  • 「杯中の蛇影」

書籍化

同作者の別作品

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