狂乱令嬢ニア・リストン
2019年から掲載が始まったので、WEB小説としては新しめの作品。
書籍化とコミカライズがされており、書籍は7巻、コミカライズは5巻まで刊行されている。
書籍化とコミカライズにあたり、タイトルが『狂乱』から『凶乱』に変更されている(タイトル変更は諸事情とのこと)。
変更後のタイトルは『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』となっている。
作品概要
異世界の武人が死後、反魂の法で少女の体で蘇った、という異世界転生物。
この時代において、最も新しき英雄の名は、これから記されることになります。
素手で魔獣を屠る、|血雨を歩く者《レッドレイン》。
傷つき倒れる者を助ける、白き癒し手。
堅牢なる鎧さえ意味をなさない、騎士殺し。
ただただ死闘を求める、自殺願望者。ほかにも暴走お嬢様、爆走天使、暴虐の姫君、破滅の舞踏、などなど。
様々な異名で呼ばれた彼女ですが、やはり一番有名なのは「狂乱令嬢」の名。
彼女の名は、これより歴史書の一ページに刻まれることになります。
英雄の名に相応しい狂乱令嬢の、華麗なる戦いの記録。そして、望まないまでも拒む理由もなく歩を進めた、偶像の軌跡。
狂乱令嬢ニア・リストン。
彼女の物語は、とある夜から始まりました。
小説家になろう – 狂乱令嬢ニア・リストン
感想
病弱な少女の体で蘇った武人は「氣」を使って体を強化して、バッタバッタと敵対者をなぎ倒すお話。
これだけだと、よくある転生物のようにチート能力で無双するだけに聞こえるが、現代日本人の魂ではなく異世界の武人という設定がよい。
現代日本人が転生してチート能力で無双する物語によくある難点は「主人公が調子に乗って痛々しい」「チート能力で無双する際の理念・信念がない」という点がある。
そこをいくと、本作の主人公は武人としての行動原理があるので、無双しても不快感がない。
個人的には、暴力で無双する物語はもう定番というかありきたりになってしまっているので食傷気味なのだが、本作はそこまで気にならずに読める。
私が本作でオススメしたいのは暴力による無双パートではなく、魔法映像と呼ばれるテレビ番組を試行錯誤するパートだ。
魔法映像は開発されてから日が浅いため、放送している番組が少ない。
魔法映像を普及させたい両親の意図により、主人公は魔法映像の広告塔として使われる。
そして色々な番組を作っていくなかで、番組ではなく結婚式のお祝いメッセージ映像を作るエピソードが特によかった。
貴族の結婚式なので、身分違いで披露宴に呼ぶことができない恩人や友人からのお祝いメッセージを主人公が飛び回って撮影して、披露宴で上映する。
映像で残すという文化がまだ浸透していない世界で、本当に祝ってもらいたい人からのメッセージが届くなんて、それって素敵やん?
実のところ、本作は魔法映像のパートは比較的少ないし結婚式のエピソードも短いお話なのだが、私は本作の長い物語の中でこのエピソードが一番好きだ。
個人的には、もっと魔法映像のエピソードがあったらと思うのだが、もうWEB小説版は完結してしまっているので致し方ない。
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