人間(にんげん)が正義(せいぎ)を語(かた)り始(はじ)めたら逆側(ぎゃくがわ)に真理(しんり)を探(さが)せ
『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』の第20話にて登場したケンタウロスの格言。
「ダメよ。人間の真似なんかしちゃ。人間の前で言うのもなんだけど、人間社会って『人間病』の上に成り立ってるんだから」
「あぁ…そういえば『人間が正義を語り始めたら逆側に真理を探せ』というのがありましたっけ」
「そうそれ。というか、人間の掲げた正義が正しいと思えたらそれは “自分達が根底から間違ってるんだ” と見直すべき時よ」
チャンピオンクロス – [第20話] 科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌
意味
「人間が正義を語り始めたら逆側に真理を探せ」という格言の意味は作中で言及されている。
自らの実態を正しく認識できない「人間病」の危険性に基づき、人間が標榜する正義を正しいと認識してしまったら自分が誤っているのだ、という戒めの格言。
人間病とは、作中において「一定以上の知能を持つ生き物は非常にかかる可能性が高い精神疾患」であり、「人間は実質『獣』であるのに、自己認識は『獣』からズレている状態」であると説明される。
「自分や自分たちが特別」という誰しも当然として持っている感覚が、「世界や神に認められた尊い存在であるから特別」という風にすり替わり、自己認識が実態から乖離している状態のことを人間病と表現している。
格言を人間病の観点から解釈すると、以下のように考えることが出来る。
- 「人間が正義を語り始めたら」とは、自己認識が歪んだ人間が、実態とはかけ離れた、独善的で陶酔的な「思想麻薬」としての正義を振りかざし始めた状況を指す。
- 「逆側に真理を探せ」とは、その正義の主張を麻薬的な幻影と見なし、むしろその反対側、すなわち「人間は神ではなく獣である」という根源的な実態(真理)を再確認し、人間社会の主張から距離を取るべきだという教訓を示している。
エピソード
「人間が正義を語り始めたら逆側に真理を探せ」という格言は『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』の第20話にて、人間と、亜人であるマーフォーク、ケンタウロス、アラクネとの会話の中で登場する。
この格言は、とある地域のマーフォークの社会では人間の影響で男女平等が流行り始めており、それを聞いた旅人のケンタウロスが「人間社会は人間病の上に成り立っているのだから、亜人であるマーフォークの社会で真似をしてはいけない」という旨の指摘をする場面で使われた。
類語
- 「人の振り見て我が振り直せ」
- 「反面教師」
- 「他山の石」
書籍
漫画
WEB掲載漫画 – チャンピオンクロス

関連作品
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