高プロラクチン血症による不妊

2018 3/04

プロラクチンとは、妊娠中から増え始め、出産と同時に分泌量が急激に増加するホルモンで、主に母乳の生成を促す働きがあります。

また、プロラクチンが正常に分泌されていると、出産後の体の回復が早くなるというメリットがあります。

将来妊娠したいと望んでいる女性にとっては欠かせないホルモンですが、妊娠しづらくなる原因を作ってしまうこともあるホルモンです。

目次

プロラクチンとは

別名が乳汁漏出ホルモンと呼ばれており、母乳の生成や出をよくする働きがあるホルモンです。

乳腺を刺激し、母乳を作るように促すため、妊娠5~6カ月ころから分泌量が徐々にふえてきます。

授乳期には、排卵を抑制する働きがあり、出産後すぐで忙しい状況で次の子を妊娠させないためと言われています。

排卵が起こらないため、母乳をあげ続けている間は月経もストップします。

高プロラクチン血症とは

高プロラクチン血症とは、こうした働きのあるプロラクチンが過剰に分泌されるために起こる症状のことをいい、男性女性それぞれに起こるケースがあります。

女性の高プロラクチン血症

・乳房のはり、乳汁漏出

女性における高プロラクチン血症は、まず妊娠・出産していないのに乳房が張り、痛みを伴う、母乳が出るなどがあります。

 

・月経不順

排卵の機能が抑制されるため、不規則、または長期間こないなどの月経不順が起こります。
不妊症の原因の中でも割合の高い症状です。

プロラクチンは本来、妊娠中から出産後にかけて分泌されるホルモンのため、このプロラクチンの分泌量が異常に増えるということは、体が妊娠した状態と勘違いしてしまうということなのです。

 

・排卵障害・着床障害

高プロラクチン血症の女性では、エストロゲンの分泌が著しく低下するため、健康な卵子や卵胞を作ることができません。

治療をしない限り、症状が改善することはむずかしく、放置すると長期的な不妊症に陥ってしまいます。

また、エストロゲンと並んで妊娠するために重要なホルモンであるプロゲステロンの働きも抑制してしまいます。

プロゲステロンの働きが抑制されると、子宮内膜を厚くすることができなくなってしまうため、受精卵ができてもうまく着床できない着床障害の状態になることがあります。

 

・頭痛や視野狭窄、視力低下

ホルモンの分泌指令を出している、脳下垂体にプロラクチン産生腫瘍ができると、眼球や神経を圧迫し、頭痛や目の見え方に異常が現れることがあります。

男性の高プロラクチン血症

・性機能の低下

男性における高プロラクチン血症の症状で最も多いのが、性機能の低下です。
性欲の減少や、勃起不全などが引き起こされることがあります。

低ゴナドトロピン血症を誘発し、その結果、性腺機能低下症が出現します。

そのため、性機能の低下が起こってしまうのです。

男性の性機能の低下は、甲状腺機能亢進症甲状腺機能低下症などが原因となることもあります。

 

・女性化乳房や乳汁漏出

乳房がふくらみ、女性化する、母乳がでるなどの症状がまれにあります。

 

・頭痛や視野狭窄、視力低下

女性と同じように、視床下部にできたプロラクチン産生腫瘍が原因となり、同様の症状が現れることがあります。

プロラクチン血症の原因

  • 薬剤性高プロラクチン血症
  • 腫瘍性高プロラクチン血症
  • 甲状腺機能低下症
  • 視床下部の異常
  • 機能性高プロラクチン血症(ストレス性のもの)
  • そのほか(原因不明のもの)

薬剤性高プロラクチン血症とは、向精神薬や胃潰瘍治療薬、降圧剤(血圧の薬)などを服用している場合に副反応としてプロラクチンの分泌量が増加してしまうというものです。

こうした薬剤の共通点としては、脳の伝達物質であるドーパミンの働きを抑制するものであるということです。

腫瘍性高プロラクチン血症とは、卵巣や精巣などにできる腫瘍から、プロラクチンが過剰に分泌されることです。

視床下部にできる腫瘍と同様に、良性の腫瘍であるため転移するなどの心配はありません。

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