とうとう!やっとこさ!「無職転生」がアニメ化ですね!
いやぁ、実に長い。長いこと待ちました。
ティザーPVを見た限りは、長く待った甲斐があるだけのクオリティを期待できそうですね!
タイトル通り異世界転生モノ
そもそも「無職転生」ってなんだ?という人のために一応あらすじを引用しておきましょう。
働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生。
少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。
TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす」公式サイト
あらすじを読むだけで「あぁ、よくある異世界転生モノじゃないか」と思うでしょう。
違うんですよ。
いや、実際はそうなんですけどね。でもそうじゃないんですよ。
「無職転生」は異世界転生モノの先駆け的な存在なんですよ!
「なろう小説」異世界転生モノの先駆け
「無職転生」は「小説家になろう」という小説投稿サイトに投稿された作品です。
2012年〜2015年まで連載されていました。
「小説家になろう」の異世界モノには、その時々でブームがありました。
2008年〜2012年頃の異世界モノのブームの流れは、以下のような感じです。
「異世界召喚」→「ゲーム世界転移」→「異世界転生」
2008年頃までは異世界転移モノが主流でした。
2010年頃には、ゲーム(と同じ設定の)異世界モノが流行りだしました。
「ログ・ホライズン」や「オーバーロード」などがそうですね。
2012年頃から異世界転生モノの流行がやってきました。
「無職転生」が異世界転生ブームを作ったのか、異世界転生ブームに乗っかって彗星の如く現れたのか、どちらかは私には分かりかねます。
ですが、長編かつアニメ化をまだかまだかと熱望されていただけあって、異世界転生ブームを支えた立役者であることには違いありません。
ちなみに、なろう小説の流行りをランキング機能から振り返ってまとめている記事がとても興味深いのでオススメしておきます。
まだ異世界転生の目新しさがあった時期
異世界転生モノは「無職転生」が先駆けだとしても異世界モノ自体は昔からある題材です。
2012年以前も異世界モノの小説、漫画、映画、アニメは多くありました。
しかし、その殆どが一般人が異世界に召喚されます。
いわゆる、異世界召喚モノ、異世界転移モノです。
たとえば、
- 「魔神英雄伝ワタル」
- 「NG騎士ラムネ&40」
- 「デジモンアドベンチャー」
- 「レイアース」
- 「十二国記」
などなど、いくらでもありますね。
前述した作品は、私の世代的なラインナップですが、異世界転移は古典的な手法なので過去に遡ればいくらでもあるでしょう。
異世界転生は物語序盤のカンフル剤
異世界召喚モノのラストは往々にして元の世界に戻ります。
異世界での冒険によって、少し成長した主人公が日常に戻っていくわけです。
異世界召喚モノの主人公は基本的に、自分のアイデンティティは失わないし、戻る場所もあるんですよ。
今でこそ、テンプレと化した異世界転生モノですが、転生モノがで始めた頃には既存の異世界召喚モノとは違う目新しさがありました。
というのも、異世界転生は異世界の現地人という矛盾したバックボーンを得ることができるからです。
まず、異世界召喚の場合は儀式で召喚されることが多いので、主人公は異世界人からは他の世界の人間として特別扱い(異物扱い)を受けます。
また、異世界転移の場合も見た目の違いや文化や常識の違いから異物扱いや部外者扱いを受けます。
一方、異世界転生の場合は0才の現地人として育てられます。
新たに自身のアイデンティティを確率しなければなりません。
そういった手間があるおかげで、異世界召喚モノではできなかった以下のギミックが可能になります。
- 精神年齢が大人なので自発的に勉強する
- 現地の常識を時間をかけて学ぶ
- 地球の知識を生かして成り上がる
これによって、主人公が周囲から褒めそやされるという、読者が簡単に気持ち良くなるためのギミックとなります。
物語の序盤で読者を気持ちよくするのは、その後に継続して読み続けるためには必要なカンフル剤です。
異世界召喚(転移)の場合は「召喚(転移)された部外者」というバックボーンの違いがあるため、突出する行動をしても「そういうものか」という反応になりますが、現地の幼児が同じことをすると「すごい!神童だ!」となります。
このギミックがあるおかげで、スルスルと読み進めることができるわけです。
今となってはテンプレ展開なので、目新しさはなくなりましたけども。
異世界召喚は目的を設定されがち
異世界召喚の場合は、「魔王を倒してほしい」「世界を救ってほしい」など、用があるから召喚されるわけです。
そのため、異世界召喚の主人公はその用に注力するしかありません。
選択の余地なく、レベル上げに専念することになります。
かたや、異世界転生の主人公はなにをしてもよいのです。
主人公は、異世界の一般人として農業をしてもいいし、商売をしてもいいし、領主として政治をしてもいいし、魔法使いになってもいいし、冒険者になってもいいのです。
まぁ、最近は、やることが設定されてたり・されてなかったりと自由になってますから、目新しくはなくなりましたね。
「無職転生」序盤のスケールの小ささが良い
「無職転生」の主人公は引き篭もりのニートです。
そして、自分の人生をやり直したいという強い気持ちのまま事故死します。
そして、異世界に転生して、本当に赤ん坊から人生をやり直す機会を得ます。
そう。この主人公、人並みの人生をおくるという決意のもとに行動するんです。
なので、世界を救うとかそういうことを志すわけではありません。
人生をやり直すために、幼少期から家にある本を読んで、魔法を独学で勉強することを志すのです。
異世界転生の強みである「精神年齢が大人」という利点を生かしてますね。
しかしですよ。
悲しいかな。引き篭もりニートだったせいで、そもそも家の外にでること自体が高いハードルになっているんですよ。
このスケール感!異世界なのに!異世界なのに!
異世界モノなのに、魔王を倒そうとするわけでもなく、世界を救おうとするわけでもない。
こういうギャップが新鮮だったんですよ。
小説は勿論良いが漫画版もやっぱり良い
小説は原作なのでそりゃあ面白いに決まっているんですよ。
じゃあ漫画版はどうなのかというと、これまた良いんです。
なにがいいかって、テンポがいいんですよ!
小説では主人公の悩みや下世話な心情など、捻くれちゃってるところも細かく描写されていて、若干の気持ち悪さがあるんですよ。
ですが、漫画版は作中のトーンが暗くなる要素をなるべく端折るような構成になっています。
主人公以外のキャラでも、小説ではちょっと特殊な性癖だったりするキャラも、漫画版ではうまく省略してコミカルに描かれています。
また、小説はライトノベルとして出版されているものだけでも現時点(2019/11/16)で22巻で、まだ続いています。
話がめっちゃくちゃ長いんですよ。
そのせいか、小説の方は正直ちょっと中だるみする箇所がままありました。
漫画版ではそのあたりがうまく端折られていて、テンポよく進んでいます。
小説の内容をそのままアニメ化するとちょっと抵抗がありそうな部分がありましたが、漫画版をアニメ化すれば、コミカルかつ軽快に進展するであろうという期待が持てます。
これは私見ですが、2012年の作品なのに2020年までアニメ化しなかったのは、漫画版のストックが貯まるのを待っていたんじゃないかな?と想像しています。
小説は「小説家になろう」で無料で読める
原作である小説は「小説家になろう」で全て無料で読むことができます。
ライトノベルとして出版された後でもWEB小説を削除されていないのはありがたいですね。
漫画は「ピッコマ」で途中まで無料で読める
漫画版を無料で読めるのは「ピッコマ」です。
「ピッコマ」には「待てば¥0」という24時間に1話だけ読むことができる機能があります。
そのため時間はかかりますが無料で読み進めることができます。
ただし、最新刊の話は有料になっています。
無職転生を購入できるサイト
Kindle では期間限定キャンペーンで無料で読めたりするんですが、私が確認した時点では無料のものはありませんでした。
アニメが放送されたら、キャンペーンをやる可能性もあるのでタイミングよく無料で読めたらラッキーですね。