不妊治療が乳がんのリスクを高める?放射線・ホルモン剤の影響とは?

最近、芸能人が自身が乳がんになった、治療中である、という経験を告白するというニュースを見ることがあります。

乳がんは、女性におけるがんの中で、最も患者数が多く、かつ治りにくい病気であり。

1960年ころは、乳がんで亡くなる2000人ほどでしたが、現在では1万人ほどの乳がん患者が亡くなっており、死亡患者数の増加が深刻な問題となっています。

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乳腺から発生するがん

乳房内には、乳腺と脂肪の二つの組織があり、乳がんはこのうちの乳腺(乳管)から発生するがんです。

何らかの影響により、この乳腺の発達が進行しすぎることによって、乳房内に腫瘍ができ、悪性のがんとなったとき、乳がんと診断されます。

女性だけでなく男性も乳がんになることが

乳がんと言えば、女性に多いがんであり、女性だけの病気と思われがちですが、実はそうではありません。

患者数はごく少ないものの、男性における乳がんの発症もあります。

自覚できる症状としては、乳房の女性化や乳汁の漏出などがあり、高プロラクチン血症と共通する症状もあります。

乳がんの原因

エストロゲンの過剰分泌

乳腺を発達させる働きのあるエストロゲンの過剰分泌によって、乳がんの発症リスクが高まることがわかっています。

女性ホルモンの影響を強く受けやすい人ほど乳がんになりやすい傾向があります。

エストロゲンの分泌が過剰になりやすい人の特徴としては、初経年齢が早い、妊娠・出産経験がない、または少ない、肥満ぎみ、類似エストロゲン(イソフラボンなど)を大量に摂取しているなどです。

遺伝によるもの

実際に、遺伝的因子から乳がんを発症する確率は、5~10%ほどと高くはないものの、親せきや親に乳がんを発症した人がいる場合、乳がんの発症リスクを抱えてしまうことになります。

乳がんの遺伝性を持つ人の場合、持たない人と比べて、50歳までに乳がんを発症する可能性が16~25倍高くなるとも言われています。

特に、母親などの1親等以内に乳がん患者がいる場合は、できるだけ若いうちから乳がん検診を受けるように心がけるのがよいでしょう。

放射線を多く浴びている

男性型の乳がんに多い原因として、日ごろから放射線を多く浴びているということが挙げられます。

放射線を浴びるということは、私たちの日常の中では、病院でのレントゲン撮影などが考えられます。

例えば、もともと肺に疾患があり、レントゲン撮影の回数が多い人の場合、そのほかの人よりも放射線を多くあびることになります。

また、レントゲン撮影等を担当する放射線技師の場合は、毎日放射線にさらされながら仕事しているため、体内に放射線が蓄積されやすくなります。

ホルモン剤による影響

エストロゲンの過剰分泌の原因にもなりますが、日ごろからホルモン剤を使用している人の場合、乳がんの発症リスクが上がると考えられています。

男女ともに当てはまることであり、テストステロンの分泌や作用を抑える効果のある薬剤の使用や、不妊治療のためのハイン誘発剤などによって、エストロゲンの過剰分泌が起こりやすくなるためです。

また、経口避妊薬を服用しているという場合にも、乳がんの発症リスクが高まることがわかっています。

これは、経口避妊薬の作用によって、妊娠中と似たホルモン状態になるため(エストロゲンの分泌量が増える)と言われており、実際に経口避妊薬を使用していない人よりも、使用している人の方が乳がんの発症リスクが高くなるということが示されています。

乳がんと不妊症の関係

不妊治療が乳がんのリスクを高める?

不妊治療中の女性が乳がんを発症するリスクを高めるのではないかという疑問の声が増えているのをご存知でしょうか。

ただでさえ精神的にも肉体的にも苦しい不妊治療中に、さらに乳がんを発症するとなると、その心痛ははかりしれないものです。

不妊治療と乳がんの発症リスク増の関係は、はっきりとした根拠が示されていないものの、不妊治療中に乳がんを発症したという人は増えているのが実状です。

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