サプリメントは、血液検査の結果に影響することがあるのでしょうか。
不妊症に悩んでいて、普段からサプリメントを飲んでいるという方や、たまに飲むことがあるという方であれば、一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。
結論から言うと、サプリメントを飲んでいることで、血液検査の数値に影響が起こることがあります。
サプリメントで摂れる栄養素は、もし過剰に摂りすぎてしまった場合、そのほとんどが尿の中に含まれ、体外に排出されます。
そのため、通常であれば、体に異常が起きたり、何かしらの害が及ぶということはほとんどありません。
特に、カルシウムや一部のビタミン類は過剰に摂りすぎてもほとんど自覚できる体の変化や異常は確認できません。
サプリメント摂取による血液検査への影響で特に気になるのが、女性ホルモンまたは男性ホルモンの量を変化させる効果のある栄養素を過剰に摂取した場合です。
こうした場合、サプリメントの摂取と同時期に不妊症にかかる血液検査や尿検査をすると、数値が正常値の範囲外になってしまうことがあります。
サプリメントで摂れる栄養素は数多くありますが、妊娠したい方におすすめの栄養素の中に、そうした不妊症の原因の一つになっている可能性のある栄養素も含まれています。
サプリメントの摂りすぎがもたらす不妊の危険性
女性ホルモンの過剰分泌
サプリメントで摂れる栄養素の中で、特に“女性ホルモン増加”を目的としたものがあります。
例えば、大豆イソフラボンやプエラリア、マカ、プラセンタなどがあります。
女性の場合、妊娠しやすい体を作る上で、こうした女性ホルモンの分泌を促進させる働きのあるサプリメントを積極的に摂ることはよいことですが、あまりに摂取量が過剰になると、女性ホルモンの量が基準値を上回ってしまい、逆に不妊症のリスクをあげてしまう恐れがあります。
女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは妊娠するために欠かせない働きをしています。
しかし、その働きが強すぎると、不妊症の原因となる様々な病気の原因を作ってしまうことがあります。
女性のがんとして近年増加傾向にある乳がんも、女性ホルモンの分泌量が過剰なことが大きな原因の一つと考えられています。
男性の場合の女性ホルモン分泌量過多は、まず性機能の低下が挙げられ、そのほか様々な症状が起こることがあります。
男性ホルモンの過剰分泌
女性ホルモンの分泌量を促進させる働きのある栄養素があれば、逆に男性ホルモンの分泌量を促進する働きのある栄養素もあります。
その中でも使用されることが多いのが、亜鉛やマカ、アルギニンやシトルリンなどです。
これらは、男性ホルモンであるテストステロンの働きを促進させるとともに、血行促進の効果があるものもあり、男性だけでなく、血行不良を起こしやすい女性の不妊症改善にも役立っています。
男性ホルモンは、男性の性機能を維持するために欠かせない働きをしていますが、女性にとっても同じく性機能の維持のために重要な働きをしています。
その男性ホルモンの分泌量が増えすぎてしまうことで、男女ともに不妊症の原因を作ってしまう可能性があります。
サプリメント使用時は必ず“使用量の目安”と“上限量”を確認する
サプリメントは薬とは違い、医師の処方の必要や販売店の限定はありません。
しかも、海外よりもサプリメントの販売に対する規制が厳しい日本国内でも、ドラッグストアやコンビニなどで数十種類のサプリメントが販売されており、ネット通販でもサプリメントを購入できるため、とても身近で、手軽に手にすることができる環境にあります。
サプリメントの効果を期待することは誰しもあるでしょう。
しかし、過剰な摂取はかえって逆効果になることもあります。
あくまで、使用の目安となる適正量を守り、それぞれのサプリメントに対して厚生労働省が取り決めている上限量を参考にしながら、それを超えないように注意しながらしようしていただきたいと思います。