甲状腺機能低下症の治療薬、効能と副作用は?

2018 3/04

甲状腺ホルモンは、主に副腎皮質や卵巣・精巣などから分泌される性ホルモンとは違い、喉元にある甲状腺から分泌されます。

体のあらゆる機能を正常に保つために働いているのが甲状腺ホルモンで、脳の活性化や新陳代謝、心臓や消化器官の活性化、体温の調節など、人間の基本的な機能をつかさどっています。

この甲状腺ホルモンが正常に分泌されないと、体のあらゆる器官に影響が及び、妊娠するための機能が正常に働くことができなくなるといった影響があると考えられており、妊娠を希望している場合には治療が不可欠になります。

目次

甲状腺機能低下症とは

甲状腺ホルモンの分泌量が低下してしまうことで、体のあらゆる機能に異常が現れる状態のことを甲状腺機能低下症と言います。

甲状腺機能低下症による主な疾患に、橋本病やバセドウ病があります。

甲状腺ホルモンの量が減少すると、体の基本的な機能が問題が生じます。

新陳代謝の低下からむくみや皮膚の乾燥、食欲の低下と反比例して体重が増加する、寒がりになる、脈拍が遅くなる、無気力感や体の慢性的なだるさなどが起こります。

その他、月経による出血が長引いたり、排卵障害や着床障害が起こるなど妊娠しずらくなる、流産しやすくなるなどがあります。

診断には、甲状腺ホルモンの分泌指令を出す甲状腺刺激ホルモン量を測定し、数値が異常に高い場合には、甲状腺ホルモンが正常量でない可能性があるため、甲状腺機能低下症が疑われます。

甲状腺機能低下症の治療方法

甲状腺ホルモンの減少は、そのまま放っておくと心臓機能の低下や肝臓機能の低下など、生命の危機に及ぶことがあるため、治療はできるだけ早期に行われます。

体内で分泌される甲状腺ホルモンの不足を補うために、甲状腺ホルモン剤を投与します。

甲状腺ホルモン剤によって、甲状腺ホルモン量が過剰になる甲状腺亢進症になることがあります。

治療の経過としては、こうした甲状腺亢進症と甲状腺機能低下症の状態を交互に繰り返すことで、徐々に正常なホルモン量になっていきます。

甲状腺機能低下症治療薬の主な作用と副作用

■サイロキシン(チラーヂンS)

■リオチロニンナトリウム(チロナミン)

 

・作用

不足している甲状腺ホルモンを補充する薬剤で、ゆっくりとした安定的な効果があるため、甲

状腺機能低下症の治療に多く使用されています。

甲状腺に炎症や腫瘍がある場合には、それらを抑える働きがあります。

治療は徐々に薬剤の濃度を上げていくことで症状の改善をはかります。

一般的に、治療期間は数週間から数カ月ほどかかることが多いです。

 

・副作用

副作用の少ない薬剤になりますが、使用量が多すぎると、イライラ感や不安感、動悸や息切れ、手足の震えや多汗などが起こります。

稀に重篤な副作用が出ることがあり、狭心症や急性腎不全、肝臓機能の低下、免疫不全が起こることがあります。

甲状腺亢進症と不妊の関係

甲状腺ホルモンの量が減少する甲状腺機能低下症とは逆に、甲状腺ホルモンの量が過剰になるのが甲状腺亢進症です。

進行すると、「甲状腺クリーゼ」と呼ばれる甲状腺ホルモン中毒症になることがあります。

動悸やほてり感、甲状腺や瞼が腫れるなどの症状がみられ、最悪の場合死に至ることもある危険な病気です。

甲状腺ホルモンが過剰になることで排卵障害や着床障害が起こることはありませんが、流産や妊娠中毒症、異常分娩にもなりやすくなりますから、必ず妊娠前の治療が必要です。

まとめ

甲状腺ホルモンは、体の基本的な機能をコントロールしています。

そのため、分泌量が低下すると、新陳代謝や臓器の働きが悪くなるだけでなく、妊娠の確率をも低下させてしまうことがあります。

甲状腺ホルモンは多少の増減や軽度の炎症・腫瘍ができているだけでは自覚症状が現れにくく、異常に気付きにくい部分です。

そのため、不妊症検査と一緒に甲状腺ホルモン検査を行っている病院も多くあります。

不妊症の改善と、将来の妊娠のために、甲状腺機能の異常は早期発見・治療を心がけましょう。

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