テストステロンは男性ホルモンの1つとして、よく耳にするという方も多いのではないでしょうか。
テストステロンは、男性にとっては言うまでもなく大変重要なホルモンの1つです。
また、女性の場合もテストステロンが男性の20分の1程度をわずかではありますが、分泌されているのが正常な状態です。
男性女性それぞれにとって体のあらゆる働きを正常に保つために重要な役割をしているのがテストステロンなのです。
テストステロンとは
テストステロンとは、男性では精巣、女性では卵巣などの生殖器から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)と呼ばれる刺激ホルモンのうちのひとつです。
男性においては、男性らしい体つきと作るために大きな役割を担っています。
男性の特徴とも言えるひげや体毛を生やす働きがあるのは、このテストステロンです。
また、テストステロンはたんぱく質を合成する機能を持っており、筋肉や骨の成長を促したり身長を伸ばす役割もあります。
そのほか、生殖器の発育を促す働きなどがあります。
成長期にかかせないホルモンの1つもあります。
女性の高テストステロン症とは
女性にとってテストステロンは、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌を抑え込む働きがあり、テストステロンの分泌量が増えすぎると、本来持っている正常なホルモンバランスを崩してしまうことがあります。
高テストステロン症とは、こうしたテストステロンの分泌が盛んになりすぎたために起こる様々な症状のことをいいます。
テストステロンの分泌量は血液検査を行うことで測定します。
結果が基準値の範囲を少々上回るくらいでは全く問題はありません。
なぜなら、テストステロンは早朝以外の時間帯で分泌量が大きく変わるホルモンであるからです。
しかし、明らかに基準値を大きく上回る場合には高テストステロン症が疑われます。
女性における高テストステロン症は、主に月経不順や排卵障害、多毛、吹き出物、肥満などの症状がおらわれる場合があります。
テストステロンの数値が高いだけでは、そんなに問題はないのですが、異常にテストステロンの数値が高かったり、同時に多嚢胞性卵巣症候群の症状が現れる場合には注意が必要です。
月経不順が起こりやすくなり、不妊症の確率をあげてしまうのです。
女性の高テストステロン症の原因
副腎または卵巣から分泌されるテストステロンの分泌量が何らかの理由によって増加しすぎることで、高テストステロン症を発症します。
多嚢胞性卵巣症候群が高テストステロン症の原因になることが多いです。
そのほか、卵巣内でのホルモン合成異常や高インスリン血症などが高テストステロン症のおもな原因です。
また、肝機能に問題ある場合に高テストステロン症が疑われることがあります。
これは、一日に分泌されたテストステロンが主に肝臓で代謝されて分解されるためです。
この肝臓でのテストステロンの代謝や分解がうまくいってない状態では、必然的に体内のテストステロン量が増え続けてしまうからです。
男性女性ともに共通することですが、食事の栄養が偏りがちで、脂肪分の多い食事ばかりを摂取しているとテストステロンの分泌が増えてしまうことがあります。
これは、テストステロンの合成がコレステロールをもとに行われるためです。
男性のテストステロン異常
男性の場合は、テストステロンの数値が高すぎるために不妊症の原因をつくっていることは少なく、逆にテストステロンの分泌量が低すぎる場合に不妊症の原因となっていることがあります。
男性でテストステロンの分泌量が低下している場合、まず性機能の低下や精子数の減少が考えられます。
そのほか、前立腺がんなどの異常などが挙げられます。
また、脳の下垂体に男性ホルモン産生腫瘍ができることや、先天性副腎過形成などで、テストステロンを過剰に分泌してしまっているケースもあります。