「妊娠しないのにできない」「そろそろ妊娠したい」と思ったとき、妊娠しやすい体づくりのための方法を調べると、たくさんの情報があり、なにから始めればよいか迷ってしまいます。
妊活を成功させるためには、まずは「自分の体を知ること」、そして「妊娠しやすい体づくり」をしていくことが必要です。それぞれの段階におすすめの方法をご紹介します。
自分の体を知るために「ブライダルチェック」と「基礎体温の記録」
妊娠したいと思ったら、ぜひ結婚前から行ってほしいのが、「ブライダルチェック」です。
産婦人科医で行うもので、男女ともに妊娠するに適した体の状態なのかを調べてくれる検査です。
まずは手軽に自分の体を知りたいと思う女性におすすめなのは、「基礎体温を記録する」ことです。
自宅で簡単に行うことができるうえ、隠れた病気の発見にもつながるため、妊娠を考え始めたらすぐに基礎体温の記録を始めていただきたいです。
妊娠しやすい体をつくるには
妊娠しやすい状態というのは、決して特別な状態のことではありません。
しかし、生理があればどんな人でも妊娠の可能性はありますが、「毎月生理はあるけど妊娠できない」と悩む人も多くいます。
妊娠するためには、まずは自分の体を知り、妊娠しやすい状態へ改善していくことが必要です。
そんな場合は、毎日の生活習慣や食事の内容、ストレスなどが原因となり妊娠することができなくなっているかもしれません。
自分の体を大事にし、のんびりとした気持ちで過ごすことで、妊娠しやすい体を作ることができます。
生活習慣を見直す
妊娠しやすい体をつくるためには、よい生活習慣を身に着けることが大切です。
よい生活習慣は健康な体をつくり、妊娠しやすくなるだけでなく、結果的に妊娠中や出産後にもたくさんのメリットがあるため、妊活中の今からぜひよい習慣を身に着けてほしいと思います。
そうした、妊娠しやすい体を作るためのおすすめの方法について解説します。
体の冷えを解消する
体の冷えをとり、血の巡りをよくすることで、妊娠しやすい状態を作ることができます。
子宮や卵巣が活発に活動するにはたくさんの血液が必要です。そのため、特におなかまわりをあたためるのがおすすめです。
温浴効果を高める入浴をする
塩風呂やみかん風呂など、体を温める入浴方法があります。また、半身浴でゆっくりと本などを読みながら長い時間入浴するのもおすすめです。
おなかのマッサージ
卵巣を温めるようなイメージで、下腹部全体をマッサージすると、体全体がポカポカとしてきます。
ダイエットをしない
過度なダイエットや、絶食などは妊活において論外です。
栄養の偏りが出てしまい、ホルモンバランスなどが乱れてしまい、体がきちんと機能しなくなってしまうからです。
BMIの計算式で割り出される「標準」の中に当てはまっていることが、妊娠しやすい状態であるといえます。
このBMIにおける「標準」とは、健康体重のことで、様々な病気にかかりにくい体重のことです。
見た目を気にした美容体重ではなく、本当に自分の体にあった健康体重を目指すことで、妊娠しやすい体に近づけることができます。
規則正しい睡眠をとる
どんなに忙しくても、できるだけ夜11時までには寝るようにすると、睡眠の質が良くなり、新陳代謝や自律神経の働きが活発になるため、妊活中はしっかりと睡眠をとることを心掛けましょう。
妊活を成功させるためには、こうした生活習慣の見直しをし、体質の改善に努めましょう。
特に冷えは結構不良を招き、不妊の直接の原因になりますので、早急に改善していただきたいと思います。
妊活中におすすめの食事や飲み物とは
妊娠しやすい体を作るためには、それまでの食事や飲み物を少し変える必要があります。
とは言っても、バランスよく栄養を摂れていれば問題はありませんので、神経質になる必要はありません。
できる範囲で実践し、足りない栄養素はサプリメントで補うなど工夫してみましょう。
妊活中におすすめの食事や飲み物についてご紹介します。
貧血解消や予防に効果的な鉄分を多くとる
鉄分は、豚や鶏のレバーやあさり、ひじきや青のりなどの海藻類、きくらげなどに多く含まれています。
これらを組み合わせて炒め物やサラダにすれば、おいしく手軽に鉄分をとることができます。
大豆みそにも豊富な鉄分が含まれていますから、毎朝のお味噌汁に大豆みそを使うのもおすすめです。
卵巣や子宮の機能改善におすすめなのは葉酸
葉酸は女性にとって、鉄分と並んで一生欠かせない栄養素です。
卵巣や子宮の働きをよくし、新鮮な卵子を作ったり、子宮内膜を妊娠しやすい状態に整えてくれる効果があります。
葉酸は、レバーや、茹でた枝豆やアスパラガス、ホウレン草などに多く含まれています。
レバーは加熱調理が前提ですが、枝豆やアスパラは茹でることで鉄分の吸収率がアップします。
ホウレン草はアクがありますが、茹でると大事な栄養素が水に溶けだしてしまいます。
そんな時は、ホウレン草を水洗いし、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジで加熱した後冷水にさらしておくことで、苦みのあるアクだけを抜くことができます。
胡麻和えにするのが、鉄分も一緒にとることができるためおすすめの食べ方です。
ノンカフェインのハーブティーを飲む
妊活中から控えていただきたいのが、コーヒーや紅茶に多く含まれるカフェインです。
代わりに、香りがよく、リラックス効果のあるハーブティーに変えてみましょう。
「ネトル」や「ラズベリーリーフ」は鉄分もとることができるため、妊活中の方には特におすすめです。
普段の食事に、鉄分や葉酸を多く含む食品をプラスすることで、妊娠しやすい食事に変えることができます。
苦手なものを頑張ってとる必要はありません。
無理のない範囲でおいしく続けられる食品を選んだり、飲み物で工夫をしてみましょう。
おすすめのエクササイズ
適度な運動は血行を良くするだけでなく健康的な筋肉量・体脂肪量の体なることができるため、妊娠しやすい体質に改善することが可能です。妊活中におすすめのエクササイズをご紹介します。
「骨盤底筋」を鍛える
骨盤を支えているハンモック上の筋肉のことを「骨盤底筋」といいます。
これを鍛える運動をすることで、近くにある子宮の筋肉も鍛えることができ、骨盤のゆがみ解消にもなるため、生理痛の緩和にもおすすめです。
骨盤底筋を鍛えるために簡単にできる二つの方法をご紹介します。
寝たままできるエクササイズ
仰向けになり、腰を持ち上げる方法です。
- 仰向けで手を体の横に置き、膝を立てて脚を肩幅に開く。
- 息を吐きながらお尻を締めるつもりで腰を持ち上げる。
- 肩甲骨が床から離れないように注意し、そのまま3秒間キープする。
- ゆっくり息を吸いながら①の状態に戻す。
テレビを見ながらできるエクササイズ
横に寝転がり、脚を持ち上げる方法です。
- 横向き寝転がり、体をまっすぐに伸ばす。
- 上になる方の脚を上げながら、ゆっくりと息を吐く。
- ゆっくり息を吸いながら脚を戻す。
- 左右の脚を1セットとし、15セット行う。
骨盤のストレッチ
骨盤を正しい位置に戻すストレッチです。骨盤がゆがんだままだと、生理痛がひどくなることもあるため、ゆがみを解消しましょう。
- 足を肩幅程度に広げ、四つんばいになる。
手は肩の真下よりややおなか側に置く、ひじは外側にゆるめる。(背中は床と平行になるように) - 頭を下げて、おへそを見る。
背中を丸めて、ゆっくりと伸ばす。
この状態を30秒から1分間キープする。 - 背中はまげたままひじを折り、骨盤の位置が一番高くなるように腰を上げる。
そのまま30秒~1分間キープする。①~④を10回繰り返す。
簡単に行えるエクササイズやストレッチ方法をご紹介しました。毎日の空いた時間や、寝る前、朝起きたときに行う習慣をつけると、無理なく続けることができます。
妊活用サプリメントを使う
妊活をはじめると同時に飲んでいただきたいのが、「妊活用サプリメント」です。
妊娠しやすい体を作りやすくなるだけでなく、妊娠した後の健康維持や、おなかの赤ちゃんよい様々な栄養素を効率的に摂取することができるため、たいへんおすすめです。
妊活中にとっていただきたい成分と、サプリメントの選び方について解説します。
妊活中に積極的に摂りたい成分
マカ
マカはアブラナ科の植物の根のことで、不妊症対策によいといわれています。
冷え性の改善に効果があり、生理不順の解消が期待できます。
葉酸
妊娠・授乳中の女性に必要な栄養素ですが、実は妊活中の女性にとっても多くのメリットがあります。
新鮮な卵子を作りやすくなるほか、子宮内膜を整えることで着床しやすい状態にしてくれます。
ほうれん草などに多く含まれていますが、食事で十分な量を摂取するのがたいへん難しい栄養素です。
そのため、サプリメントでの効率的に摂るのがおすすめです。
大豆イソフラボン
女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをする成分で、美容にも効果的です。
卵子を作る卵胞の活性化が期待できます。
鉄分
子宮内膜を厚くするのに血液が必要になるため、女性は鉄分不足になりやすいです。
妊娠後は、多くて通常の倍近くの鉄分を必要とするため、急な貧血を起こしやすくなります。
女性は妊娠前から積極的に摂っていただきたい栄養素で、吸収率をあげるためにビタミンCとの同時摂取がおすすめです。
サプリメントの選び方
- 栄養成分をより多く摂れること(一日当たり摂取可能な成分量を比較する)
- 飲みやすさ(粒の大きさや水なしで食べられるタブレットタイプなど)
- 続けやすさ(価格や購入方法)
妊活を成功させるために、必要な栄養成分を手軽に、効率的に摂取することができるのがサプリメントです。
自分に合ったものを選び、毎日きちんと続けることで、その効果が期待できます。
ストレスをためないために
妊娠しやすい体づくりのために、最も大切なことは、ストレスをためないことです。
忙しい毎日の中で、ストレスをためないことは難しいことかもしれません。
しかし、ストレスと不妊は大きくかかわっているため、上手にストレスをためない習慣作りをして妊活を成功させましょう。
なぜ妊活中にストレスを感じるのか
妊娠を焦る気持ちが、妊活中の女性のストレスを増加させてしまいます。
妊娠とは、本来、自然にできるものです。
しかし、子供を望む自分や周りの期待感が大きすぎるため、「頑張って早く妊娠しなくては」という気持ちになってしまうのです。
妊娠できないことは、必ずしも女性自身の責任ではありません。
原因が不明のまま不妊症であるというケースは当たり前のようにあります。
まずは「自分を責めない」ことが、妊活中のイライラや焦りを解消する第一歩であり、大原則です。
ストレスをためないために
妊活を楽しむ
妊娠したいと望む日数が長ければ長いほど、自分の赤ちゃんに会いたいという気持ちは強くなります。
毎日感じていたたくさんの思いを、将来生まれてくる子供にいつか話してあげましょう。
「あなたが生まれてくるのをこんなに楽しみに待っていたのよ」と話してあげられるように、妊活中の日々も子供ためのかけがえのない時間として、大切にしてほしいです。
夫婦やパートナーとの時間を楽しむ
赤ちゃんが生まれてからは、嵐のような毎日で、二人でゆっくり過ごす時間はほとんどなくなってしまいます。
妊活中の今こそ、二人でしかできないことを大いに楽しみましょう。
思い切って海外旅行にでかけるのもよいですし、すこし贅沢なレストランで食事をするのもよいでしょう。
妊活中に焦りやイライラ感が多いと、もし妊娠できたとしても、「ちゃんと出産できるのだろうか」などの不安でいっぱいになりやすく、生まれてくる赤ちゃんのためにもよくありません。
妊活を成功させるために、まずは心穏やかでいられるよう心がけましょう。
体を温めるプラスアルファの工夫
不妊の女性の多くが、慢性的な冷え性を抱えています。
冷房の効きすぎた電車内やオフィスでは、体の自然な体温調節機能が失われ、冷え性を進行させてしまいます。家庭でできる冷え性解消のためのプラスアルファの工夫をご紹介します。
入浴の仕方で体温を上げる
平熱が36度未満の人は、低体温が原因で妊娠しづらい傾向があるといわれています。
特に、もともと汗をかきにくかったり、日ごろから運動をしないという方には、入浴方法の改善がおすすめです。
半身浴
胸のしたあたりまでの浅い湯船につかります。じんわりと体が温まり、入浴後も体が冷えにくいです。肩は冷えやすいのでタオルなどをかけてください。
温冷浴
お湯と水に交互につかる方法です。
家庭では水風呂の代わりに、冷たいシャワーを利用します。40度くらいのぬるま湯に半身浴でつかります。
いったん湯船から出て、冷たいシャワーを足にかけ、これを数回繰り返します。
無理のない範囲で行いましょう。
血管の拡張を収縮を繰り返すことで、血のめぐりがよくなり、体が芯まで温まります。
体を温める食品をとる
代表的なの食品はショウガですが、ショウガ以外にも体を温める食品があります。
これらを組み合わせることで、一度の食事で効率的に体を温める食品をとることができます。
野菜に特に多く、ニンジンやカボチャ、小松菜や菜の花、レンコン、たまねぎ、さつまいもなどがあります。
もち米や小豆などの穀類、レバーなどの肉類、アナゴやエビなどの水産物らと組み合わせて、おいしい冷え性改善料理を作ってみましょう。
「ゴマ」のサプリメントを飲む
冷え性に効果的と言われている、ゴマをサプリメントで摂るのがおすすめです。
食品としてたくさん摂るのがなかなか難しく、風味が強いため、毎日ゴマを食べるのは大変です。
手軽なサプリメントを活用すれば、手軽に冷え性改善ができます。
ご紹介した体を温める方法は、どれも習慣的に行ってほしいものです。
冷え性を上手に改善して、妊娠しやすい体を手に入れましょう。