基礎体温を計って妊娠しやすい日を把握しよう!

妊活をはじめるにあたり、誰でも簡単に始めることができるため、おすすめなのが基礎体温の記録です。

自分の体の状態を知ることができる指針になるため、できるだけ早い段階から始めてほしいと思います。

「基礎体温」というのは、まったく運動をしていない安静な状態での体温のことをいいます。
妊娠したいと思っている人であれば、一度は耳にしたことがあるかと思います。

不妊症の改善や予防のためにはこの基礎体温を付けることがとても重要になります。

基本的な基礎体温の変化の説明から、基礎体温を測ることのメリットについて解説します。

目次

基礎体温を付けるメリット

基礎体温をつけるメリットとは以下のものがあり、妊娠したい女性にとって基礎体温を記録することはたいへんメリットがあります。

  • 体調の変化を知ることができる
  • 生理日や排卵日の予測ができる
  • 生理不順やホルモン異常などの可能性を早く察知できる

まず、排卵日の予測ができるため、妊娠するためにいつ性交渉を設けたらよいのかの目安を付けることができます。

体の目立った不調を感じていなくても、生理周期の把握や、ホルモンバランスの変化などを簡単に知ることができるため、ぜひ行っていただきたいです。

基礎体温の測り方

基礎体温の測り方は、朝起きてすぐに布団の中で横になったまま、体温を測ります。

できるだけ体が目覚めていない状態で測るのが望ましいため、朝起きてすぐが最も正確に測ることができます。

毎日同じ時間、朝起きた直後に測るのが望ましいです。

内臓や筋肉があまり動いていない、安静な状態ではかる、「体本来の体温」のことです。

通常のわきの下で測る体温計ではなく、より正確に測ることができる口腔内用の体温計を使用します。

基礎体温の記録の仕方

基礎体温を、グラフに記録してみましょう。

毎日決まった時間に基礎体温を計測し、グラフに点をつけていき、月の終わりに線で結ぶと、基礎体温表が完成します。

記録用のグラフは、産婦人科などで「基礎体温を付けたい」というと記録用の用紙をもらうことができます。

また、インターネットでも無料でダウンロードできるものがあるほか、スマートフォン用の基礎体温記録アプリもあり、非常に便利です。自分が使いやすいものを選び、利用してみてください。

「基礎体温表 ダウンロード」とインターネットで検索すると、無料の記録用シートがダウンロードできますし、スマートフォンのアプリにも基礎体温を記録できるものがありますので、好みのツールを選びましょう。

基礎体温のつけはじめはグラフが上下に大きく動いており、排卵日などの予測が困難に思えますが、3か月ほど続けて慣れてくれば、自然と規則的な線の動きが見えてきます。

続けることでホルモンバランスの変化を知ることもできため、ぜひ長期的に行ってほしいです。

自分の体のリズムを知る

基礎体温つけはじめて3か月ころから、規則的なグラフの動きに気づき始めます。

この規則的な動きが、生理周期における自分の体のリズムです。

このリズムを把握しておくことが、妊活にとても役に立ちます。記録した基礎体温表の具体的な見方について解説します。

「低温期」と「高温期」を繰り返している

女性の体は、基礎体温が低い「低温期」と高い「高温期」を繰り返しています。

これは、女性ホルモンが影響しており、低温期には「エストロゲン」というホルモンが、高温

期には「プロゲストロン」というホルモンがそれぞれ作用しています。

妊娠するためには、この二つのホルモンがバランスよく働いていることが大切です。

「低温期」

基礎体温が急に下がっているところは、生理が来た日を表しています。

生理が来た日を生理周期の一日目と数え、そこから約14日ほどで排卵が起こるまで低温期が続きます。

この間に、体の中では、卵子のもとになる細胞から、次々と新しい卵子が成長しています。

「高温期」

低温期が続いた後、今度は急に体温が上昇している日があります、これは、前日に排卵が起こったため、妊娠に適した体の状態を作ろうと体温を上げているのです。

この高温期は、次の生理が来るまで半月ほど続きます。

生理周期がわかる

基礎体温を付けていると、自分の生理周期がはっきりとわかるようになります。

低温期がしばらく続いた後、急に体温が上がり、それが一週間ほど続いたあとまた低温期がきていることがわかるかと思います。

低温期のあと高温期に入ったとき排卵が起こり、妊娠しなかった場合は再び低温期になり、生理が起こります。

これが健康な状態の女性の基礎体温の動きで、いつ妊娠しやすい日なのかの目安を知ることができるため、妊娠を望む人はぜひ基礎体温を記録してみましょう。

正常な場合の生理周期は25~38日以内ですので、この間に入っていることを確認しましょう。

生理周期を把握できるようになると、「そろそろ生理がくるかな」と予測することができます。

生理中は正しい診断ができないため、産婦人科を受診するタイミングをつかむのがむずかしいものです。

生理周期がわかると、そのようなときにも役立ちます。

もし、グラフが不規則な動きやずっと低温期が続いているなどの時は、体になにか異常が起きているかもしれず、基礎体温をつけることは病気の早期発見にも役立ちます。

肌荒れやイライラの対策ができる

自分の生理周期が何日なのか、意外と知らない方が多くいます。

自分は何日のサイクルで生理がきているのかを知ることは、妊活の基本です。

生理周期に合わせて、女性の体はホルモンバランスが大きく変化する影響で、肌荒れやイライラ感が起きやすくなります。

妊活中には避けたいストレスの原因にもなってしまいます。

事前にできる肌荒れの対策やイライラ感の解消方法を見つけ、この時期を乗り切りましょう。

グラフから排卵日を知る

妊娠するために近道なのが、自分の排卵日を知るということです。

体の中で小さな細胞の集まりが生まれる瞬間など、誰も感じ取ることはできません。

しかし、基礎体温をつけていると、だいたい毎月の排卵日に規則性が見えてきます。

そうして、基礎体温表の記録と見方に慣れて来たら、自分の排卵日を予測してみましょう。

低温期の終わりが排卵日

記録した基礎体温表を見てみると、生理が来てから始まっている低温期から、急に高温期に変わっている日があります。

このときの低温期の最後の日に排卵が起こっていることが多いのです。

1~2日誤差はあるかもしれませんが、おおむね間違いありません。

低温期の終わりに体温が上下に動いており、なかなか高温期への移行の日がわからないときは、生理が開始した後に一番体温が高くなっている日を高温期の始まりとしてください。

自分の排卵日を予測する

過去の排卵日の目星がついたら、次はこれから来る排卵日を予測してみましょう。

産婦人科でも排卵日の予想をしてくれますが、自分で行っても変わりはありません。

過去の基礎体温表を見て、低温期と高温期の日数を数えます。

それぞれの日数がすべて同じであればそのままでよいのですが、それぞれにずれがある時はすべての低温期と高温期の日数の平均を出してください。

これが自分の低温期と高温期の周期になります。

そして、今日が低温期または高温期の何日目なのかを確認し、そこから次の低温期の終わりの日まで何日あるか数えれば、排卵日の予測ができます。

たくさんの日数を数えるのが面倒という方は、低温期の平均日数のみを出し、次の生理が始まった日を1日目として数えれば、その終わりの日が排卵日だと予測できます。

妊娠しやすい日を割り出す

自分の排卵日を知ることができたら、次は妊娠しやすい日を知りましょう。

妊娠を望んでいない人が用いる言い方ですが、いわゆる「危険日」というのが妊娠しやすい日のことです。

これまで記録した基礎体温表と次回の排卵日の予測をもとに、自分の妊娠しやすい日はいつなのか確認してみましょう。

排卵日=妊娠しやすい日ではない

妊娠しやすいのは排卵日当時と思われる方が多いでしょうが、実はそうともいえません。

最も妊娠しやすいのは、排卵日の2日前といわれています。

これは、精子の寿命が3~4日なのに対して、卵子が妊娠できるのが6~24時間以内と、差が大きいことが理由です。

卵子が生まれたばかりで若い状態であるほうがより妊娠の確立が高まるため、精子は排卵の前から待機しておくほうがよいのです。

妊娠しやすい日とは

排卵日の前後に精子が生きていられる日数を足した4日間が、妊娠しやすい日とされています。

排卵日の2日目から、排卵日翌日までをそれとすることもありますが、排卵日の3日前から排卵日当日までとすることもあります。

医師の見解によって異なることがありますが、いずれにしても確実なのは、排卵日の2日前が最も妊娠しやすい日ということです。

排卵を特定する検査薬を活用する

自分の妊娠しやすい日をもっと確実に知りたいという方には、排卵日を特定するための検査薬を使用するのがおすすめです。

生理開始予定日の17日前から毎日使用するもので、妊娠検査薬と同様に、尿を試験紙に散布し尿中のホルモン濃度で排卵日を特定します。

安くてもひと箱7本入りで3,000円ほどします。

少しコストがかかりますが、より確実に自分の排卵日を特定できため、効率的といえるのかもしれません。

排卵検査薬を使用する場合も、自分の正確な生理周期や次回の生理予定日がわからないといけません。

基礎体温の記録は、妊娠したと思ったら毎日かかさず行ってほしいと思います。

基礎体温表に異常がある場合

基礎体温をつけていて、体温のグラフの動きが不規則だったり、ほとんど動きがないことがあります。

そうした、グラフに異常があるときは、なにか体の中で問題が起きていることがあり、そのことが妊娠を妨げているかもしれません。

グラフに異常がある場合の例と、その原因として考えられる問題について解説します。

ずっと低温期が続いている

前回の生理開始の日から、次回の生理開始の日まで、ずっと体温が一定のように見える場合は、排卵が起きていない「無排卵」の状態であることが考えられます。

女性ホルモンのエストロゲンのみがずっと優位に分泌され続け、妊娠を助けプロゲステロンの分泌量が足りない場合などに、無排卵の状態になります。

生理開始後も高温期が続く

本来であれば生理開始とおもに下がるはずの基礎体温が高いままの場合は子宮内膜症の可能性があります。

更年期に差し掛かった女性にもみられる状況ですが、高温期が21日以上続くときは何か問題があることを疑ってください。

高温期が短い、または数回に分けて短い高温期がある

こうした場合は、プロゲステロンが正常に分泌されていないことなどからおこる、「黄体機能不全」の可能性があります。

この場合、もし妊娠できたとしても、その後出産まで順調に妊娠を継続できることが難しくなってしまいます。

グラフに異常があるときはすぐに受診を

上に挙げたような、基礎体温のグラフの動きに何らかの異常が見られる場合は、すみやかに産婦人科を受診することをお勧めします。

こうした婦人科系の病気が隠れている場合、不妊の状態が長期化してしまう恐れがあることと、放っておいても症状が改善することが少ないためです。

基礎体温の記録は、様々な体の問題や病気の可能性について早期に知ることができます。

こうした病気が原因となり、不妊症になっているというケースは多くあるため、基礎体温表に異常がないかよく観察していただきたいと思います。

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