捏ね上げ温度とは、パンの材料をミキシングし、捏ね上がってすぐの生地内の温度のことです。
一般的な捏ね上げ温度は、26~28℃程度が適しており、28℃で設定してあるレシピがほとんどです。
生地は窯入れの時点で、32~35℃にあることが望ましいとされています。
その理由は、イーストがもっとも活発に働く温度が32~35℃だからです。
生地は発酵中に5℃前後温度が上昇するため、窯入れから逆算して26~28℃程度が最適な捏ね上げ温度となります。
捏ね上げ温度は、以下の計算式で出すことができます。
捏ね上げ温度 = (水温 + 粉温 + 室温) ÷ 3 + 7
水温とは仕込み水のことを指します。
目的とする捏ね上げ温度は26~28℃あたりと決まっているので、最初に仕込み水を調整するために、用意するべき仕込み水の温度を計算する必要があります。
そして、特に関係のなさそうな7という数字がありますが、これはミキサーの摩擦熱を表しています。
ミキサーで捏ねるときに、摩擦によって生地は6~10℃上昇します。
摩擦熱を加味して仕込み水を計算する必要があるのです。
仕込み水の温度を求める計算式は下記ようになります。
水温(仕込み水の温度) = 3(捏ね上げ温度 - 7) - (粉温 +
室温)
では、上記の式に当てはめて「室温25℃、粉温25℃、目標の捏ね上げ温度28℃、摩擦熱は7℃」という想定での仕込み水を計算してみます。
水温(仕込み水の温度) = 3(捏ね上げ温度 - 7) - (粉温 + 室温)
水温(仕込み水の温度) = 3(28 - 7) - (25 + 25)
水温(仕込み水の温度) = 13
このように、仕込み水の温度は13℃ということになります。